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 インターネットイニシアティブ(IIJ)と村田製作所が、東南アジアでのIoT(インターネット・オブ・シングズ)市場の開拓に本腰を入れ始めた。同地域でIoTによるデータサービスを計画している企業向けに、データの収集から解析、販売までを一貫して支援する「グローバルIoTデータサービスプラットフォーム」を共同で提供する。

 2023年夏をメドに、まずはインドネシア、タイ、マレーシア、ベトナムの4カ国で事業を開始する。各国で道路交通やエネルギー、農業、ヘルスケアなどの分野でIoT関連事業に取り組む企業の利用を見込んでいる。

グローバルIoTデータサービスプラットフォームのイメージ
グローバルIoTデータサービスプラットフォームのイメージ
(出所:IIJ、村田製作所)
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現地ビジネスの知見やノウハウを生かす

 村田製作所は2010年代中ごろから、交通量を可視化する「トラフィックカウンタシステム」によるデータ提供サービスに取り組んでいる。「LiDAR(ライダー)」と呼ばれるセンサーを道路の各所に設置し、乗用車、大型車など車種情報を分類した交通データを収集して交通情報を可視化するシステムだ。現地のパートナー企業と組んで、収集した交通データを提供するビジネスを展開している。

トラフィックカウンタシステムによる交通データの収集
トラフィックカウンタシステムによる交通データの収集
(写真:村田製作所)
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 IIJも同じく2010年代中ごろから、東南アジアでデータセンターやクラウドのサービスに取り組んできた。現地の通信事業者などと連携しながら、各国の法規制や要件に対応したサービスを展開している。

 両社はこうした現地の既存ビジネスで培ったセンサーや通信、クラウドなどの技術やサービス、データ分析手法、ビジネスモデルの知見、現地企業との協力体制を新サービスに生かし、顧客企業のデータサービスの立ち上げを支援する。

 具体的にはセンサーやカメラなどのデバイスとセンシング技術、データ分析における解析とリポート作業の支援、現地オペレーターによるデータ販売業務支援を村田製作所が提供。IIJは収集したデータを連携、加工、蓄積、可視化する現地クラウドサービスや、収集したデータを日本国内で2次利用するための国内クラウドサービス、プラットフォーム利用における技術支援を提供する。データ収集のためのゲートウエイや無線/モバイルネットワークも両社で提供する。