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 「資産形成を支える商品やサービスのラインアップを取りそろえて、富裕層かどうか、投資の初心者か経験者かを問わず、あらゆる人に向けてオンラインやコールセンター、店頭などさまざまな手段で提供する。これが両社が目指す証券会社の姿だ」。みずほフィナンシャルグループ リテールデジタル業務部部付部長の船橋泰晴氏は、みずほ証券と楽天証券ホールディングス(HD)が2022年10月7日に発表した資本業務提携についてこう話す。

 今回の提携に基づき、みずほ証券は11月1日に楽天証券の株式19.99%(約800億円)を取得し、持分法適用会社とする。互いの顧客にそれぞれの商品やサービスを紹介するとともに、両社で構成するステアリングコミッティーで今後の展開に関して議論していく予定だ。

 対面販売が中心のみずほ証券とネット証券の楽天証券は、相補的な関係にあるといえる。そもそも顧客層が異なる。みずほ証券はミドル・シニア層の顧客が中心で、「資産形成が終わった後の運用や相続といった複雑なニーズを持つ顧客が多い」(船橋氏)。一方、楽天証券は新規口座開設者の6割超が30代以下で、投資初心者が8割を占める。

 ほかにも「信託銀行を持ち、相続のコンサルティングを提供するなど、資産形成に限らない総合金融サービスをみずほグループとして提供できるのは、当社にはない強み」(楽天証券)、「楽天グループは証券・銀行・カードをつなぐ潤滑油としてポイントをうまく活用している。ここは我々に足りない部分で、みずほグループとして今後どのように送客や利便性の高いサービスの実現に生かすかを一緒に考えていきたい」(船橋氏)などと、それぞれの強みを挙げる。これらの強みを生かし、いかにシナジー効果を発揮できるかが今後の焦点となる。

経営統合は必然

 資産形成のあらゆるニーズに応える体制の整備を急ぐのは、SBI証券も同じだ。2022年6月にSBIHDが三井住友フィナンシャルグループと資本業務提携を締結したのに続き、9月26日に100%子会社であるSBIネオモバイル証券(ネオモバ証券)を経営統合すると発表した。ネオモバ証券は2019年4月にサービスを開始して以来、若年層・投資初心者層を対象に事業を展開してきた。

ネット証券/スマートフォン証券関連の主な動き
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