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 半導体回路技術のオリンピックとも呼ばれる国際学会「2023 International Solid-State Circuits Conference(ISSCC 2023)」(米国サンフランシスコ、2023年2月19日~23日)で異変が生じたことが明らかになった。これまで同学会では米国の研究機関や企業が非常に強く、中国などは量の面でも質の面でも米国とまだ差があると考えられていた。ところが、ISSCC 2023では採択論文数で中国が米国を大きく上回ったのである。

極東勢の論文が全体の2/3を占める

 2022年11月17日、キオクシアが議長を務めるISSCC極東委員会はISSCC 2023の論文採択状況について、東京でオンライン会見を開いた。

 それによれば、ISSCC 2023の全体の論文投稿数(629本)や採択論文数(198本)にこれまでと大きな変化はなかった。

 変化したのは採択論文の筆頭著者の所属組織の地域ごとの内訳だ。2022年までは欧州勢(EU)と北米勢(NA)の合計が、極東勢(FE)を上回っていた(図1注1)。前回に当たる2022年は、EU+NAが101本だったのに対し、FEは99本と肉薄したが逆転には至らなかった。ところがISSCC 2023ではFEが急増し、全体の65%を占めた。

図1 地域別採択論文数はアジアが圧倒
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図1 地域別採択論文数はアジアが圧倒
(出所:ISSCC)

注1)極東勢といっても、実際には台湾、マカオ、香港、シンガポール、インドを含む。