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 2022年の夏頃まで、世界半導体市場の先行きについては楽観的な見方がほとんどだった。2021年の世界半導体市場は前年比26.2%も増加し、初めて5000億米ドルの壁を超えた。その勢いは2022年も続き、同年には6000億米ドルを超えると予測されていた。が、ここ半年で市場は一気に減速し、6000億米ドル突破は2022年はおろか2023年も難しくなりそうだ。

 世界半導体市場統計(World Semiconductor Trade Statistics:WSTS)の予測を見てみよう。2022年6月7日発表の2022年春季予測では、2022年の半導体世界市場は前年比で16.3%成長し、6465億米ドル(約88兆500億円、1米ドル136.20円で換算、以下同)になるとしていた*1。それが2022年11月29日発表の秋季予測では WSTS日本協議会によるニュースリリース 、前年比4.4%増の5801億米ドル(約79兆100億円)と大幅に下方修正された(図1)。前年比の予測値が11.9ポイントも変わることはあまり例がなく、夏以降に市場が一気に減速したことが分かる。巣籠もり需要の一巡、中国のゼロコロナ政策などが響いた。

図1 世界および地域別の半導体市場
図1 世界および地域別の半導体市場
2021年以前は実績。2022年以降は予測(出所:WSTS(World Semiconductor Trade Statistics:世界半導体市場統計))
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 2023年の予測も2022年の予測に迫る大幅な下方修正となった。具体的には、2022年春季予測では2023年の半導体世界市場は前年比5.1%成長して6797億米ドル(約92兆5800億円)になるとしていた。同年秋季予測では前年比4.1%縮小の5566億米ドル(約75兆8100億円)へと下方修正された。増減率は9.2ポイントの引き下げで、2022年の11.9ポイントには及ばないものの、大きな値である。業界待望の6000億米ドル超えは2024年以降になりそうだ。

 なお円ベースの半導体の日本市場は2022年に前年比30.7%成長し、6兆2785億円である。円安が影響しており、米ドルベースの日本市場は前年比10.0%増である。2023年の円ベースの半導体日本市場は前年比6.2%成長して6兆6684億円になると予測されている。

 WSTSはIC製品別の市場予測も発表している(図2)。それによれば、2022年の市場で不調なのはメモリーである。2022年のメモリーは前年比12.6%も減少するとみられる。2023年はさらに減少幅が大きくなり、17.0%の減少になると予測されている。2023年はアナログ以外の製品、すなわちメモリー、ロジック、マイクロ(マイクロプロセッサーやマイコンなど)が前年比で減少するという。

図2 IC製品別市場
図2 IC製品別市場
2021年以前は実績。2022年以降は予測(出所:WSTS)
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