デンソーは2022年12月15日、2035年に向けた事業計画説明会「DENSO DIALOG DAY 2022」をオンラインで開催した。説明会で同社社長の有馬浩二氏は、「2022年度から10年間で10兆円規模の投資を行う」と明かした(図1)。過去10年間の総投資額に比べて約2兆円増やす。
積極的な投資によって事業構造の転換を加速し、2035年度に2021年度比で約38%増の8兆円の売上高を目指す。そのうち7兆円をCASE(コネクテッド、自動運転、シェアリング、電動化)などの成長分野で稼ぐ計画で、残りの1兆円がエンジン関連分野の売り上げとなる(図2)。
10年間で10兆円規模の投資額は、年平均では1兆円の規模になる。その内訳についてデンソー取締役CFO(最高財務責任者)の松井 靖氏は説明会で、「設備投資で3000億円~3500億円、研究開発で5000億円~6000億円、残りはスタートアップへの投資などに充てる」と明かした(図3)。年間の設備投資額は減価償却費と同水準に抑制しながら、CASEなどの成長分野への研究開発投資を強化する。エンジン関連事業への投資は縮小する計画だ。
成長分野のうち「先進デバイス」では、2025年までに交通死亡事故の56%を、先進運転支援(ADAS)技術によって減らすことを目指す。同社の最新ADAS「Global Safety Package 3(GSP3)」の機能を向上させて実現する。
残りの44%については、2035年までに対応する。デンソーCTO(最高技術責任者)の加藤良⽂氏は、「ADASのさらなる性能向上や交通インフラとの連携、運転者の状態検知などの技術開発に取り組む」と話す(図4)。ADAS関連事業の売上高は、2025年度に5000億円を計画する(図5)。