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 情報セキュリティーやデータ復旧などについて普及・啓発活動を進めている5つの業界団体が2022年12月16日、「データ被害時のベンダー選定チェックシート」を合同で作成し、公開したと発表した。「ランサムウエアによってデータが暗号化された」「パソコンのデータが消失した」といった場合にユーザー企業の担当者が利用することを想定している。

5団体が合同で作成・公開した「データ被害時のベンダー選定チェックシート」の一部
5団体が合同で作成・公開した「データ被害時のベンダー選定チェックシート」の一部
(画像:5団体が公開したチェックシートを基に日経クロステックが加工)
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 このチェックシートを合同で作成・公開したのは、デジタル・フォレンジック研究会、日本データ復旧協会、日本ネットワークセキュリティ協会、日本コンピュータセキュリティインシデント対応チーム協議会(日本シーサート協議会)、ソフトウェア協会の5団体だ。チェックシートはExcelのファイルにまとめられていて、デジタル・フォレンジック研究会のホームページからダウンロードできる。

公開の背景に費用や契約でのトラブルが

 5団体がこのチェックシートを公開した背景には、企業などが事業者にデータ復旧を依頼する際、費用や契約内容などに関してトラブルになるケースが増えていることがある。「データ復旧事業者に問い合わせたところ、高い確率で復旧できるとの説明を受けたので契約した。しかし、その後、データ復旧ができないと分かったのに費用を支払うことになった」といったケースもあるという。そこで5団体は、データ復旧が必要になった企業の担当者が、適切にデータ復旧事業者を選定したり、契約を締結したりできるように、このチェックシートをまとめた。

 チェックシートには、データ復旧事業者に復旧作業を依頼する際に、確認すべき項目をまとめてある。確認項目は、「依頼前・事業者選定・問い合わせ」「データ復旧着手の事前確認・契約前」という2つの段階それぞれで整理されている。チェックシートの確認項目の質問に答えていくと、100点満点でスコアが自動的に示されるようになっている。