SUMCOは、パワー半導体向けに口径300mmの新しいシリコン(Si)ウエハーを2023年に量産する。従来品に比べて特性を改善したことで、自動車や再生可能エネルギー、産業機器などで利用されるパワー半導体のコスト削減と供給の安定につなげる。
パワー半導体が活躍する場面が増えており、今後も需要拡大が見込める。そこで、欧米のパワー半導体メーカーを中心に、300mmウエハーラインを強化する動きが盛んだ。遅ればせながら日本メーカーも300mm化へとアクセルを踏み始めた。
特に需要が伸びると目されているのが、電気自動車(EV)や再生可能エネルギー、産業機器などで多用されるIGBT(絶縁ゲート型バイポーラ・トランジスタ)である。現在、IGBTの製造では口径200mmの「FZ(Floating Zone)法」で作製したSi結晶から切り出すFZ基板を利用するのが主流だ。だが、FZ法で口径300mm品を実現するのは技術的に非常に難しいという。