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「バドワイザー」も300MW

 ちなみに、「ソーラー・ミーンズ・ビジネス」レポートは、今回で9年目を迎える。SEIAは、2022年6月末までに、全米で導入された18.5GW・4万8000件以上の太陽光発電プロジェクトを追跡し、データを分析した。これは、米国に設置されている全商業用太陽光発電のうち出力ベースで70%以上になるという。

 米フェイスブックの親会社であるメタは、2019年末以降、太陽光発電導入量を 380%(3.8倍) 以上に増加させ、企業による太陽光発電導入量のランキングで、前年の9 位から 1 位に躍り出た。 SEIAによると、約3.6GWという導入量は全米の太陽光導入量の実に3% 近くも占めているという。同社は、PPA締結済みでまだ稼働していない太陽光発電の出力規模が大きいので、今後もランキングトップを維持すると予想されている。

 2位のアマゾン・ドット・コムは、2019年末以降、自社のオフィス、倉庫、物流施設、データセンター、および実店舗に電力を供給するために、太陽光発電の導入量を 2 倍以上に拡大した。

 3位のアップルと5位のマイクロソフトは、両者とも自社のデータセンターに電力を供給するために太陽光発電に多額の投資を行っている。

 ちなみに、7位に入ったカーギル(Cargill)は、ミネソタ州に本社を持つ穀物メジャー(穀物系国際複合企業)で、穀物のみならず精肉・製塩など食品全般及び金融商品や工業品なども取り扱っている。

 8位のカイザー・パーマネンテ(Kaiser Permanente)は、全米の9地域において医療保険事業を展開する非営利の民間保険団体で、健康保険のほか、病院経営なども手掛ける。9位のアンハイザー・ブッシュ(Anheuser-Busch Companies)は、ミズーリ州に本社を持つ米国の大手ビール製造会社で、主力のビールのブランド名である「バドワイザー」でよく知られている。

 トップ10のなかで唯一米国に本社を持たない企業は、エブラズ・ノースアメリカで、英国で株式上場しているが、ロシアを主な事業基盤とする大手鉄鋼メーカーの北米事業本部である。