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オンサイト型からオフサイト型へ

 企業による太陽光発電の導入はここ数年で急速に拡大した。SIEAによると、オフサイト(企業の敷地外)に太陽光発電設備を設置して電力を調達する手法を近年のトレンドとして挙げており、その急拡大が企業による太陽光導入を牽引しているという。

 米国企業の太陽光発電導入方法には、企業にとって電力需要のある事業所・工場の屋根上、または敷地内に太陽光発電を導入する「オンサイト型」、企業の敷地外である、需要地から離れた場所に設置し、電力系統の送配電線を通じて電力を調達する「オフサイト型」の2つの手法に分けられる。

 2016年まで、屋根置き型太陽光を導入するオンサイト型が主流であった。4位の世界最大のスーパーマーケットチェーンであるウォルマート、6位の米ディスカウント百貨店チェーンのターゲットは、店舗、倉庫、物流施設などの比較的規模の大きな建屋を使った屋根上設置で多く、オンサイト型で拡大してきた。特に、ターゲットは、オンサイト導入量ランキングで、ダントツのトップで、オンサイト型が、総導入量の57%を占める。ちなみにターゲットは、2020年までに同社の店舗500店に屋根置き太陽光発電を導入する目標を2017年に立てたが、予定より1カ月早い2019年11月にその目標を達成させた(図2)。

図2●設置方式別・米国年間企業太陽光発電導入量シェア推移
図2●設置方式別・米国年間企業太陽光発電導入量シェア推移
(注:水色=オンサイト、青=オフサイト、出所:SEIA)
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 2016年には全体の約70%を占めていたオンサイト型だが、2017年にはオフサイト型が半分以上となった。さらに、2021年にはオフサイト型のシェアは76%以上に達した。2017年末には、累積導入量が1.5GWだったオフサイト型は、2022年6月までに10GWを超えた。

 こうしたオフサイト型の成長要因には、太陽光発電コストの低下、野心的な企業のクリーン エネルギー目標の増加、およびオフサイト型電源による電力調達の拡大が挙げられている。