城南信用金庫が2023年1月にも、法人向けと個人向けでそれぞれ新しいバンキングアプリを投入する。法人向けアプリ「城南バンキングアプリBiz」によって、中小企業の経営者などがスマートフォンで手軽に金融取引ができる環境を整える。個人向けの「城南バンキングアプリ」では、若年層の取り込みを図る。
「全ての顧客に使ってもらいたいので、インターネットバンキング(IB)契約は不要にした」。城南信用金庫未来システム戦略室担当顧問の篠原稔氏は、こう語る。同金庫のIBは共同利用型サービスを利用しているため、柔軟な機能拡充も難しかった。
そこで日本IBMの「デジタルサービス・プラットフォーム(DSP)」を採用した。勘定系システムと連携し、デジタルサービスやアプリケーション開発を支援する基盤だ。業務アプリケーションをマイクロサービスの形で提供しており、これを組み合わせてサービスを実現する。城南信金は法人向けと個人向けの開発を同時並行で進めているが、残高照会といった共通機能を個別に開発する必要がなくなる利点もある。
まずは、残高や入出金明細の照会といった参照系機能を提供する。幅広いニーズに対応するため、法人向けでは納税準備預金や通知預金なども含めて多岐にわたる口座情報を確認できるようにした。定期預金の加入や振り込みといった更新系機能は、現在利用している富士通製の勘定系システムからしんきん共同センターに移行する2026年1月の実装を予定する。それまでは、併存するIBで更新系取引に対応する。