昭和電工と昭和電工マテリアルズ(旧日立化成)が「レゾナック・ホールディングス(以下、レゾナック)」として再スタートを切った。髙橋秀仁社長は世界トップクラスの機能性化学メーカーになると宣言(図1)。コングロマリットディスカウント*が作用していたこれまでの姿に別れを告げ、半導体材料を中心とした「スペシャリティーケミカル」(髙橋社長)を目指す。
だが、半導体には好不況の波であるシリコンサイクルがある。半導体材料に事業を集中させることに経営リスクはないのか。そして、さらに事業の選択と集中を進めるのか。髙橋社長を直撃した。
髙橋社長:確かに、半導体材料に関してはシリコンサイクルがある。だが、過去を振り返るとトレンド(半導体のニーズ)はむしろ増えている。シリコンサイクルはあってもトレンドが増えるという傾向は、少なくともここ10年は変わらないと思っている。従って、シリコンサイクルが「今、少し弱含みだ」と思った時でも、投資のブレーキを踏むつもりは全くない。
というのも、次に来る山は、前の山よりもトレンド的に高くなるはずだからだ。半導体材料の事業は、次に来る山の高さに備えてキャパシティー(生産能力)を持っていないと戦えないと認識している。投資のタイミングを少し遅らせることはあっても、意思決定(投資)をしないという選択肢は私にはない。