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2つの特性を併せ持つ

 シーグライダーは海面のわずか上を低空飛行するモビリティーで、「地面効果翼機」の1種である。シーグライダーには「既存の湾岸施設を利用できる」「船舶に比べて高速」「飛行の効率が高い」といった利点がある。水中翼を備えており、水中翼船の側面も持つ。港付近の狭い海域では水中翼船として動作し、広い海域に出てから地面効果翼機として飛ぶ。

 リージェントは、バッテリー(2次電池)だけで動作する「フル電動」のシーグライダーを開発している。まず、乗務員2人と乗客12人、荷物が入る機体「Viceroy」を実用化する考えである。

 目標とする速度は時速180マイル(約290km)と高く、航続距離は180マイル(約290km)と長い。この数値は、新たな航空機として開発が進む、電動垂直離着陸(eVTOL)機のフル電動型と比べた場合、高速かつ航続距離が長いタイプと同水準である。ただし、フル電動型のeVTOL機は乗客の数が4人ほどなので、12人を乗せられるシーグライダーの方が優位といえる。

 2022年秋に、1/4スケールの機体で初飛行を成功させた。2023年中にフルスケールの試作機を完成させて、2024年に試作機に人を乗せて飛ぶことを目標に掲げる。その後、2025年に就航させることを目指している。

2022年秋に初飛行したリージェントの1/4スケールの機体。同社の動画をキャプチャーした(出所:リージェント)
2022年秋に初飛行したリージェントの1/4スケールの機体。同社の動画をキャプチャーした(出所:リージェント)
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