米国初、世界クラスのウエハー工場
米国内で生産開始を計画しているのは、ハンファQセルズ、ファースト・ソーラーのようなパネルメーカーだけではない。
米スタートアップ企業であるキュービックPV(CubicPV)は、米国内にシリコンウエハーの工場を建設する計画を、2022年12月に発表した(図2)。
同社は、米マイクロソフト創業者のビル・ゲイツ氏らが設立した投資ファンド「ブレイクスルー・エネルギー・ベンチャーズ(Breakthrough Energy Ventures)」を通して投資を受けている。
キュービックPVは、米国で 年産10GW規模のモノシリコンウエハー(単結晶シリコンウエハー)工場の建設を計画しており、完成すれば、「この規模のウエハー工場としては米国で最初」になると述べている。
ちなみに、現在中国が全世界に流通するシリコンウエハーの97%を供給している。
新工場の立地については、今年第1四半期(1~3月)中に最終的に決定・公表し、その直後に着工し、2024年に建設が完了する予定だ。2025年までには、生産設備を100%稼働させる計画という。
太陽光パネルメーカーなどが加盟するSEMA Coalition(the Solar Energy Manufacturers for America Coalition=ソーラーエネルギー製造業者米国連合)のエグゼクティブ ディレクターであるマイク・カー氏は、「米国における太陽光発電産業のサプライチェーンを構築するための主要な触媒として機能する」と、キュービックPVが米国内で初となる世界規模のウエハー工場について称賛する。