関西電力の通信子会社オプテージが「mineo(マイネオ)」ブランドで展開する格安SIMサービスで攻勢をかける。2023年2月から3月にかけて新たなメニューやサービスを相次ぎ投入。ラインアップを拡充して多様なニーズに応えることで契約数の増加につなげると同時に、既存顧客のつなぎ留めを強化する。
格安SIMを手掛けるMVNO(仮想移動体通信事業者)は、携帯大手による2021年の官製値下げ以降、厳しい戦いを余儀なくされている。それまでMVNOが最大の売りとしていた料金面の優位性が一気に薄れてしまったからだ。オプテージの巻き返しとなるか。
月額250円プランで2回線目やガラケーに照準
オプテージがまず2023年2月1日に追加したのは通話オプションの「10分通話パック」。月額110円(税込み)を支払えば、専用アプリ不要で1カ月に最大10分(440円分)までの国内通話が可能となる。余った通話時間は翌月に繰り越せる(繰り越し分の上限は10分)。かけ放題を契約するほど通話頻度が高くなく、数十秒や数分の通話が月に数回といったユーザーに向く。
2月22日からは、最大毎秒32キロビットの低速通信が月額250円(税込み)で使い放題となる「マイそく スーパーライト」の新規申し込みを受け付ける。高速通信が必要な際は1回当たり330円(税込み)の「24時間データ使い放題」を利用できる。このため、通信障害対策で複数回線を安価に維持したい用途に向く。音声通話が中心の「ガラケー」ユーザーがかけ放題とマイそく スーパーライトを組み合わせ、料金負担を抑えつつ乗り換える、といった使い方も想定する。
同じく通信障害対策で注目が高まる「eSIM」対応も拡充する。現在、提供中のAプラン(KDDI回線)に加え、2月22日からDプラン(NTTドコモ回線)でもeSIMの提供を始める。
これら1つひとつは地味に映るものの、ユーザーの選択肢を確実に広げる。オプテージはさまざまなライフスタイルに応じて自分に合ったプランを選べる点を訴求し、契約数の拡大につなげていく考えだ。ただ選択肢が広がる半面、複雑で分かりにくさも増す。そこで、簡単な質問に答えるだけで最適なプランを選べる「マイネオ!プランメーカー」をmineoのサービスサイトで3月上旬に提供する予定だ。