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 フランスRenault(ルノー)の日産自動車への出資比率の引き下げや、ルノーが電気自動車(EV)事業を分社し新たに設立する新会社「Ampere(アンペア)」に対する日産からの出資――。そうした両社の関係再構築について、アーサー・ディ・リトル・ジャパン(ADLジャパン)でマネージングパートナーを務める鈴木裕人氏と、米S&P Global Mobility(S&Pグローバル・モビリティ)でプリンシパルリサーチアナリストを務める西本真敏氏に、注目すべき点や影響について見解を聞いた。

フランスRenault(ルノー)グループCEO(最高経営責任者)のLuca de Meo(ルカ・デメオ)氏
フランスRenault(ルノー)グループCEO(最高経営責任者)のLuca de Meo(ルカ・デメオ)氏
2022年11月にパリで開催した事業説明会に登壇したときのもの。(画像:ルノーグループの事業説明会のオンライン画面を日経クロステックがキャプチャー)
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日産自動車代表執行役社長兼CEOの内田 誠氏
日産自動車代表執行役社長兼CEOの内田 誠氏
(写真:日産自動車)
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 ポイントは大きく2つ。1つは、電池調達、およびアンペアのカバー範囲と両社にとってのアンペアの位置付け。それらによって、電池調達を含むEVのサプライチェーンがどうなっていくのかだ。そしてもう1つが、日産がコア市場として位置付けている米国、日本、中国、欧州で売れる中大型車を市場投入できるかどうかという点である。以下、両氏のコメントを紹介する。

ルノーグループが重視する5つの分野を担う組織
ルノーグループが重視する5つの分野を担う組織
Ampere(アンペア)がEVとソフトウエア、フランスAlpine(アルピーヌ)がハイエンドの排ガスゼロ車、同Mobilize(モビライズ)がサービス、The Future Is Neutralが循環経済、ルノー、ルーマニアDacia(ダチア)、ルノー商用車ブランドが低炭素なエンジン車とハイブリッド車(HEV)、Horse(ホース)プロジェクトがエンジンおよびHEV用のパワートレーンを担う。(画像:ルノーグループの事業説明会のオンライン画面を日経クロステックがキャプチャー)
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