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 米Meta(メタ、旧Facebook)は米国時間2023年2月1日、2022年10~12月期の決算を発表した。売上高は前年同期比4.5%減の321億6500万ドル(約4兆1500億円)。市場予想は上回ったものの、減収は3四半期連続となる。1株当たり利益は1.76ドルと前年同期比で半減。市場予想を下回った。純利益は前年同期比54.8%減の46億5200万ドルだった。

米メタの業績の推移
米メタの業績の推移
(出所:米メタ)
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 主力である広告売上高は前年同期比4.2%減の312億5400万ドル。景気後退による広告需要の低迷が如実に表れた格好だ。

 決算説明会でスーザン・リーCFO(最高財務責任者)は「予想通り広告需要の低迷によるプレッシャーにさらされた。不透明で不安定なマクロ経済環境の影響を受け続けている。前年同期比で最も大きなマイナスとなったのは、金融サービスとテクノロジー関連企業だった」と説明した。

 次代の主力と位置付けるメタバース事業では、担当部門であるリアリティー・ラボの売上高が前年同期比17.1%減の7億2700万ドルにとどまり、営業損失は前年同期の33億400万ドルから42億7900万ドルに拡大した。

 一方で、SNS(交流サイト)のFacebookの月間利用者は29億6300万人、Instagramなどを含めた同社のアプリケーション全体の月間利用者は37億4000万人となり、それぞれ過去最高を記録した。

 同社は2023年1~3月期の売上高を260億~285億ドル(前年同期は279億800万ドル)と見込んだ。2023年通期の設備投資を300億~330億ドルと見込み、従来の最大370億ドルから引き下げた。コスト効率の高いデータセンターの建設で、建設費が減少するという見込みを反映したためだ。

 同社は決算発表の当日に400億ドルの自社株買いを公表。売上高が市場予想を上回ったこともあいまって、同社の株価は時間外取引で一時19%上昇した。

 同社のマーク・ザッカーバーグCEO(最高経営責任者)は決算説明会で「(創業から)18年間は毎年20~30%、あるいはそれ以上の成長をしてきた。2022年は会社の歴史上初めてマイナス成長となり、大きな変化だった。この状態が今後も続くとは思っていないが、以前のような状態に戻るとも思っていない」とコメント。2023年の経営テーマとして「効率化」を掲げた。

 「急成長している間は効率を上げるのが難しい。私たちは今、過去と異なる環境にいると思う」というザッカーバーグCEOの現状認識は、「やみくもにメタバースだけに投資しているのではない」という投資家へのメッセージとも取れた。