米Google(グーグル)の持ち株会社、Alphabet(アルファベット)は米国時間2023年2月2日、2022年10~12月期の決算を発表した。売上高は前年同期比0.9%増の760億4800万ドル(約9兆7900億円)だったものの、純利益は同34.0%減の136億2400万ドルに落ち込んだ。減益は4四半期連続となる。1株当たり利益は1.05ドル(前年同期は1.53ドル)だった。いずれも市場予想を下回り、同社の株価は時間外取引で一時6%下落した。
アルファベットのスンダー・ピチャイCEO(最高経営責任者)は決算説明会で「(新型コロナウイルスの)パンデミック後にデジタル支出が大幅に加速した後、マクロ経済情勢が厳しくなっていることは明らかだ」との現状認識を示した。
「成長率が(リーマンショック後の)景気後退期に戻っている。底打ちの兆候はあるか」。決算説明会でアナリストからの質問に対し、ルース・ポラットCFO(最高財務責任者)は次のように答えた。「世界情勢を予測するつもりはない。最も重要なことは、広告主を支援する技術革新と持続可能な価値創造を実現するコスト構造改革だ」
セグメント別では、広告収益の落ち込みが顕著だ。主力であるインターネット広告事業の売上高は590億4200万ドルで前年同期比3.6%減った。
そのうち、インターネット検索と連動する広告は前年同期比1.6%減の426億400万ドルだった。特に落ち込みが激しいのがYouTube広告だ。同7.8%減の79億6300万ドルにとどまり、2四半期連続の減収だった。
同社は3年前の2019年10~12月期からYouTubeの四半期売上高を開示したが、減収となったのは2022年7~9月期が初めて。アルファベットの広告事業にとって成長ドライバーだったYouTubeが、この半年で変調を来していることになる。
グーグルのフィリップ・シンドラーCBO(最高事業責任者)はYouTubeについて「2022年10~12月期に逆風が吹いた」としながらも、スマートフォンに特化した短時間動画であるYouTubeショートの拡大やスマートテレビ向けサービスの強化、定額制サービスへの投資などによって、「長期的な展望に自信を持っている」と述べた。
YouTubeショートについては、2022年2月1日からクリエイターが広告配分を受けられるようになった。マネタイズの手段を増やすことで、競合である中国ByteDance(バイトダンス)のTikTokや米Meta(メタ、旧Facebook)のInstagramに対抗する考えだ。