トヨタ自動車が全面改良した新型「プリウス」(5代目)は、先進運転支援システム(ADAS)用センサーを刷新して予防安全性能を強化した。検知機能を高めた単眼カメラとミリ波レーダーを採用し、トヨタ車初の3機能を搭載した。また、事故のリスクを先読みするシステムにも、トヨタ車初の2機能を追加した(図1)。
新型プリウス(以下、新型車)のADAS「Toyota Safety Sense (TSS)」は、中型SUV(多目的スポーツ車)の新型「レクサスRX」に搭載しているものと同じ最新システムである。車両の周囲を監視する主要センサーとして単眼カメラを1個、ミリ波レーダーを5個使う。このうち単眼カメラは、フロントウインドー上部の室内側に搭載する(図2)。
5個のミリ波レーダーのうち1個は前部バンパー中央に、残りの4個は前部と後部のバンパーの両角に装着する。5個のミリ波レーダーはいずれも、77GHz帯の周波数に対応する製品である(図3)。
デンソーの最新センサーを採用
これらのセンサーのうち、単眼カメラは先代車の製品よりも広角化した。これにより、車両前方のより広い範囲の対象物を検知できるようになった。広角化した単眼カメラと前部バンパー中央のミリ波レーダーは、デンソーの最新センサー「Global Safety Package 3(GSP3 )」である。前部と後部の両角に装着するミリ波レーダーは、ドイツContinental(コンチネンタル)製とみられる。
センサーを刷新したことで、新型車の自動ブレーキの性能が向上した。昼夜の車両や歩行者、交差点の右折時の対向車両(対向車線を直進してくる車両)、交差点の右左折時に前方から渡ってくる歩行者や自転車などに加えて、見通しの悪い交差点における出合い頭衝突にも対応できるようになった。