家庭用ロボット事業の参入を宣言してからおよそ4年。日本最大のユニコーン企業として知られるPreferred Networks(プリファード・ネットワークス、PFN、東京・千代田)がついに製品を発表した。業務用ロボットで培ったAI(人工知能)技術やロボティクス技術を生かしつつ、家具を動かすという新しい発想で家庭に切り込む。
自律移動可能な家庭用ロボット「カチャカ」を開発したのは、PFN子会社でロボット事業を手掛けるPreferred Robotics(プリファード・ロボティクス、PFRobotics)だ。2023年5月に一般発売する。
カチャカの最大の特徴は、音声入力や専用アプリによって人の指示通りに専用家具を移動させられることである。これを「スマートファニチャー」として打ち出すことにした。積載荷重は家具を含めて最大で20kgである。
専用家具の第1弾は、車輪付きの専用棚「カチャカシェルフ」だ。シェルフをカチャカと結合して所定の場所に移動させることで物を運べる。
PFRoboticsは、カチャカのプラットフォーム化を目指している。その狙いは、大きく2つある。1つは、さまざまなパートナー企業と連携し、カチャカ専用家具の種類を増やしていくこと。もう1つは、家具の使い方を少しずつ変えることで、家庭内におけるカチャカの用途を広げていくことである。