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EVSと呼ばれるイメージセンサー(右)の研究開発に各社が力を注いでいる。RGBイメージセンサー(左)と比べて、高速に駆動し、消費電力が小さいといった特徴を備える(出所:ソニーセミコンダクタソリューションズ)
EVSと呼ばれるイメージセンサー(右)の研究開発に各社が力を注いでいる。RGBイメージセンサー(左)と比べて、高速に駆動し、消費電力が小さいといった特徴を備える(出所:ソニーセミコンダクタソリューションズ)
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 超高速と低消費電力を兼ね備えるイメージセンサーを、ソニーグループ(ソニーG)傘下の半導体事業会社であるソニーセミコンダクタソリューションズ(SSS)が開発した。スマートフォンやVR(仮想現実)/AR(拡張現実)機器の進化を加速させる可能性を秘める。

 SSSが開発したイメージセンサーは、「イベントベースビジョンセンサー(EVS)」と呼ばれるもの。従来のRGBイメージセンサーと異なる原理で動作し、超高速に動体を検出する。消費電力が小さい、ダイナミックレンジが広いといった特徴を備える。

 RGBイメージセンサーは、一定のタイミング(フレーム速度)で撮影する。それに対し、EVSは被写体の動きや周囲の環境変化といった変化(イベント)に応じて、個々の画素が独立して動作する。それぞれの画素に入射する光の輝度が変化してしきい値を超えると、その変化を検出する仕組みだ。

 VR用ヘッドセットやARグラスに使えば、ハンドジェスチャー認識やアイトラッキングを高速かつ低消費電力で実行できる。スマートフォンでは、RGBイメージセンサーとEVSを併用することで、暗がりで高速に動く物をきれいに撮影できる。1000fps(フレーム毎秒)を超えるような高フレーム速度での撮影も可能になる。