シリーズハイブリッド機構「e-POWER」を搭載したクルマ(e-POWER搭載車)のコストを、2026年までにエンジン車と同等にする――。日産自動車専務執行役員の平井俊弘氏は、同社が開催した電動パワートレーン技術説明会に登壇し、こう明かした(図1)。
同社は、電動化については、電気自動車(EV)とe-POWER搭載車を2本柱に推進する戦略。2030年代のできるだけ早い時期に、主要市場に投入する新型車を100%電動化すること、および2030年までに同社における電動車の販売比率をグローバルで55%に引き上げることを、目標として掲げている(図2)。2030年までに19車種のEVを含む全27車種の電動車を投入する計画だ。
そうした電動車のさらなる普及拡大に向けて、同社が力を入れるのが、「エンジン車同等の価格」と「ワクワクし、かつストレスフリーな運転体験」の実現である。電動車の価格をエンジン車並みに引き下げ、さらに100%モーター駆動という同社の電動車の魅力に磨きをかけることで、電動車のさらなる普及を後押しする。
同社は、エンジン車と同等の価格実現に向けて、「バッテリー革新」や「専用設計」に加えて、「共用化」「モジュール化」「コア技術の進化」に注力する。バッテリー革新では、例えば全固体電池の開発を進めており、2028年に導入を開始する計画。ニッケル(Ni)やコバルト(Co)といった高価な貴金属の使用を避け、かつ製造プロセスを合理化することで低コスト化を図る。専用設計に関しては、発電特化型エンジンを例として挙げる。
そして、それらに加えて、共用化、モジュール化、コア技術の進化を推進することで、より一層の低コスト化を図っていく。