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 ゆとりあるパワートレーンを採用し、制御やアクセルペダルの改良によってアクセル操作に対する応答性を高めたトヨタ自動車の新型「プリウス」(図1)――。それにより力強く軽快な加速を手に入れた同車だが、その走りの良さを実感してほしいと同社がこだわったのが音だ。

図1 新型「プリウス」のハイブリッド車(HEV)モデルとプラグインハイブリッド車(PHEV)モデル(プロトタイプ)
図1 新型「プリウス」のハイブリッド車(HEV)モデルとプラグインハイブリッド車(PHEV)モデル(プロトタイプ)
左がHEV、右がPHEV。PHEVには、車体の右側面後部に充電ポートがある。(写真:トヨタ自動車)
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 同社Toyota Compact Car Company TC製品企画ZF主幹の菅野伸介氏はその理由を次のように語る。「動的性能(を実感させる要素)には操縦安定性もあるが、音も(動的性能の)質感を感じる大きな要素になる。(新型プリウスで目指した)“とりこにさせる走り”の中で、NV(ノイズ、振動)は大きなウエートを占めている」

 そうした走りの良さを感じさせる音を実現するために、同社が取り組んだことの1つが、「エンジン音の上昇に、加速がついてくる」という実感の追求である。別の記事で紹介したように、新型プリウスでは、エンジン排気量2.0Lのハイブリッド車(HEV)やプラグインハイブリッド車(PHEV)において、加速時のエンジンの動作点を燃費にも配慮しつつ低回転・高トルク側に寄せた。それにより、より力強くより軽快な加速が可能なものへと進化させた。

 だが、その効果はそれだけではない。エンジン音そのものも改善した。新型プリウスのエンジン音は、低音が強調され、より迫力あるものへと進化している。