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 解禁が2023年4月と目前に迫る給与デジタル払いについて、「利用したい」と考える消費者が29.8%と3割未満にとどまるとの調査結果がまとまった。MMD研究所が2023年3月27日に発表した。給与デジタル払いの認知度は71.2%と高く利用意向と30ポイント以上乖離(かいり)していることとから、盛り上がりは一部に偏っているとみられる。

 調査会社MMDLaboが運営するMMD研究所が、18~59歳の就業している全国の男女6034人を対象に2023年3月7日から14日にかけて調査した。

利用意向は若い世代ほど高い

 調査ではまず給与デジタル払いの認知度について聞いた。「知っており、内容を理解している」が34.9%、「言葉を聞いたことがあるが、内容は知らない」が36.3%と、認知度は合計で71.2%だった。同社が2022年7月に実施した調査より19.2ポイント増えており、解禁が迫って報道が増えたことなどが要因と考えられる。

給与デジタル払いの認知度(2022年7月調査との比較)
給与デジタル払いの認知度(2022年7月調査との比較)
(出所:MMD研究所)
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 利用意向については、「利用したい」が10.3%、「やや利用したい」が19.5%と、合計で29.8%だった。年代が上がるにつれて利用意向が下がる傾向があり、例えば「利用したい」と「やや利用したい」の合計は、男性では10代が51.5%、20代が39.5%と下がり、50代は16.8%にとどまった。

性別、年代別にみた給与デジタル払いの利用意向
性別、年代別にみた給与デジタル払いの利用意向
(出所:MMD研究所)
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 利用意向を示している回答者のうち、「全ての給与をデジタル払いで受け取りたい」とした割合は45.4%と半数近くに上った(複数回答)。2022年の前回調査から3.6ポイント増えた。性別や年代別に見ても「全ての給与を」との回答は40%台から50%程度と一貫して高かった。全体としての利用意向が3割未満と高くはない一方で、一部の消費者は高い関心を示している実態が見て取れる。

給与デジタル払いが解禁された場合に受け取りたい給与の種類(複数回答、2022年7月調査との比較)
給与デジタル払いが解禁された場合に受け取りたい給与の種類(複数回答、2022年7月調査との比較)
(出所:MMD研究所)
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