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 米Microsoft(マイクロソフト)製品でデータベース作成の際に、デジタル庁が作成した、異なるシステムを連携するためのデータ整備の体系である「政府相互運用性フレームワーク(GIF)」のデータモデルを利用できるようになる。日本マイクロソフトがデジタル庁と協力して、ローコードツールであるMicrosoft Power Platformに実装した。テンプレートを使って簡単に利用できる。地方自治体などが異なるシステム間でのデータ項目や構造をそろえやすくなり、データ連携がスムーズになるとみられる。

 異なるシステム間でのデータ連携をしやすくするためデジタル庁はGIFを2022年3月に公開したが、1年たち普及が課題となっている。事業者と協力して広く使われるツールに組み込むことで、普及に弾みがつくか。

住民向けサービス構築などにデータベースを自動作成

 日本マイクロソフトが2023年3月下旬からMicrosoft Power Platform向けのデータ基盤「Microsoft Dataverse」で、GIFのデータモデルを利用できるようにした。「Microsoft 365」「Dynamics 365」などを利用する際に、GIFのデータモデルを活用したデータベースを自動作成できる。

政府相互運用性フレームワーク(GIF)を使って作成したデータベースの例
政府相互運用性フレームワーク(GIF)を使って作成したデータベースの例
(出所:日本マイクロソフト)
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 自治体などがMicrosoft Power Platformを活用して住民向けサービスや業務サービスを構築するユースケースを想定している。例えば、公共施設の予約システムや避難所の管理システム、オンライン申請システムなどを構築する際に、ゼロからデータベースを設計する必要がなくなる。また、構築したサービスやGIFのデータモデルに準拠した別のシステムとのデータ連携がスムーズになる。

 DX(デジタルトランスフォーメーション)推進で、自治体職員が簡単なサービスなどをノーコード/ローコードツールで内製するケースが増えている。今回の動きは「データベースに詳しくない職員でも内製しやすくなる」(日本マイクロソフトの担当者)という。自治体などが事業者に発注してシステム構築する際でも、これを活用することで、異なるシステム間のデータ連携がしやすくなる。