全1187文字

 エンビジョンAESC(神奈川県座間市)が、リチウムイオン2次電池(LIB)の製造計画を若干“上方修正”したことが2023年5月9日、明らかになった。日経クロステックの電話取材に答えた。具体的には、これまで2026年にLIBの生産能力300GWh超/年を目指す計画だったのを、「2026年に同400GWh/年を目指す」(同社)とした。世界的な電気自動車(EV)シフトの加速に対応した格好だ。

 400GWh/年は、LIB世界最大手である中国・寧徳時代新能源科技(CATL)の2022年末のEV向け生産規模の約2倍注1)。フル生産できれば、CATLの今後の生産能力増強計画を考慮しても、トップを狙える生産規模になる注2)

注1)韓国SNE Researchによると、CATLの2022年のEV向けLIB生産量は191.6GWh。

注2)CATLは将来の生産計画を公式には発表しておらず、いくつかの調査会社の推定に基づく。ただし、競合の中国CALB(中創新航科技)や同SVOLT(蜂巣能源科技)、同Gotion High Tech(国軒高科)は2025年にそれぞれ、600GWh/年、500GWh/年、300GWh/年の生産能力達成を目指すとしているため、400GWh/年でも1位になれるとは限らない。

 エンビジョンAESCは、風力発電機や蓄電制御システム大手の中国エンビジョングループ(遠景科技集団)の一員。前身は日産自動車、NEC、およびトーキンなどの合弁会社「オートモーティブエナジーサプライ(AESC)」。エンビジョングループが2019年に買収した。