サイボウズが海外展開に改めて本腰を入れている。2023年4月から主力製品のローコード開発ツールをリコーの販売網を使って米国で販売し始めた。今後は欧州でも展開を始める。
背景にあるのはサイボウズとリコーの資本業務提携だ。リコーはサイボウズに出資し、サイボウズのローコード開発ツール「kintone(キントーン)」をリコーブランドの「RICOH kintone plus」として国内外に販売する。RICOH kintone plusはキントーンにリコー製複合機との連係機能などを追加したものだ。
サイボウズはこの提携をきっかけにしてキントーンの世界展開に弾みをつけたい考えだ。「これまでは自社で海外の販路を開拓してきたが、今回の提携(による海外展開)は全く異なる。我々だけでは現地の知名度がなかったが、リコーは現地での知名度があり、営業担当者もインサイドセールスの部隊もそろっている」とサイボウズの青野慶久社長は自信を見せる。
実はサイボウズには海外展開での苦い経験がある。2001年に米国へ進出したが2005年に一度撤退したことがある。当時の主力製品はグループウエアの「サイボウズOffice」だった。しかし、「日本と米国ではスケジュール共有(の仕方)などで文化や商習慣の違いが大きく、販売が伸び悩んだ」と青野社長は振り返る。