ニュース解説
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「秘密計算」普及へ地ならし、デジタルガレージなど3社が基準策定へ
デジタルガレージ、NEC、レピダム(東京・渋谷)の3社が「秘密計算」の研究会を立ち上げた。秘密計算は暗号化されたデータを復号化することなく、そのままの状態で相関関係などの分析ができる技術だ。研究会は個人情報や企業機密を保護するための安全性の基準を策定して技術の普及を促す。
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ローカル5Gで働き方どう変革?三井不とNECネッツが実証する次世代オフィスの姿
三井不動産とNECネッツエスアイは2021年3~5月、ローカル5G(第5世代移動通信システム)を活用する実証実験を共同で実施する。大規模オフィスビルにおけるスタンドアロン方式のローカル5Gを用いた実証実験は「国内初」という。
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市場高騰で問う、「事後監視」だけでは市場は守れない
取引倫理の普及と自主的情報開示の必要性
12月から1月にかけての市場高騰をきっかけに、現行の市場制度そのものに対する疑問の声が広がり始めている。市場に潜む問題は複合的だが、今一度、根本から洗い出していく必要がありそうだ。まず、市場監視の問題を取り上げる。電力・ガス取引監視等委員会の「事後監視主義」には限界がある。
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全固体電池の常識破る新手法、東工大などが界面から不純物なくす
全固体リチウム(Li)イオン電池の容量密度を倍増させ、しかも固体電解質と電極の界面における抵抗(界面抵抗)を大きく引き下げられる――。容量密度と出力密度は背反の関係にあると一般的には考えられているが、そんな常識を打ち破る新アプローチを発見したのが東京工業大学、東北大学、産業技術総合研究所、日本工業…
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楽天がアパレル業界のDX支援に名乗り、積年の「課題」解決なるか
楽天は2021年夏をめどに、アパレル企業向けに実店舗と複数のECサイトの在庫情報を一元管理できる新サービス「Rakuten Fashion Omni-channel Platform」の提供を始める。全国の店舗や倉庫に分散する在庫の配置を最適化し、売れ残りや販売機会の損失を減らす狙いだ。
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ソフトバンク元社員逮捕で注目の「営業秘密の流出」、AI駆使したツールでどう防ぐ?
営業秘密の漏洩対策がにわかに注目を集めている。警視庁は2021年1月12日、ソフトバンクから転職した楽天モバイル社員を営業秘密持ち出し容疑で逮捕した。二の舞を防ぎたい企業のニーズを捉え、AIによる営業秘密漏洩対策ツールを強化する動きが相次いでいる。
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真因に言及しない「甘い報告書」 曙ブレーキの品質データ偽装
「一体、何の報告書か。『真因(問題を引き起こす本当の原因)』に対する追究が甘く、これで再発防止につながるとは思えない」――。2021年2月16日に曙ブレーキ工業(以下、曙ブレーキ)が公表した品質データ偽装に関する報告書を、ものづくりに詳しいコンサルタント(以下、識者)はこう断じる。「現場の担当者に…
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10年メンテ不要な換気扇。ステンレス製穴あき円板の役割は?
細かく多くのスリットを持つステンレス鋼製の円板。換気扇(レンジフード)内部のメンテナンスを10年間不要にしたキーパーツだ。どんな役割を持つのだろうか。
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自動運転向けLiDAR開発に100社殺到、抜け出すのは一握りの企業
自動運転における外部センシングの要といえるLiDARだが、競争は激しい。筆者が知るだけでも世界中で50社以上、100社近い企業が自動車応用に向けてLiDARを開発している。LiDARの方式については後ほど述べるが、報道やインターネットの公開情報を基に、機械スキャン方式、MEMS(Micro-Ele…
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NEC参入で診断支援ソフトの競争激化、AIはどこまでがん診断を支援できるか
大腸内視鏡の画像をAIで解析し医師のがん診断を支援する技術の実用化が相次いでいる。大腸内視鏡事業を展開するオリンパスや富士フイルムが専用AIの販売を開始したことに加え、内視鏡事業を手掛けていないNECが新たに参入した。NECは将来、電子カルテと連携させた診断支援技術の開発を見据える。
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ワクチン接種業務にAI OCRの援軍、ナナメ貼りシールも認識する実力とは
AI OCRベンダーなどが自治体向けに新型コロナウイルスのワクチン接種管理業務を支援するため、新しい製品やサービスを相次ぎ提供している。2021年4月にも始まる大規模な接種を見据えた動きである。ワクチン接種業務をスムーズに進める上で、心強い援軍になりそうだ。
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「高騰の原因は市場設計の不備」 規制改革相チームが卸電力市場改革を提言
経産省に新電力の緊急支援や市場制度の再設計を要請
河野太郎規制改革相が率いる「再生可能エネルギー等に関する規制等の総点検タスクフォース」が「電力価格高騰問題に対する緊急提言」を発表。「高騰期間の約定価格の遡及的な見直し」などの踏み込んだ要請は、電力市場や電気事業にどんなインパクトをもたらすのか。
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三菱電機の設計不正再発防止に危うさ なぜなぜ分析で追究すべし
「管理を強化するだけで問題の再発を防げると考えているとしたら間違いだ」――。車載オーディオ機器用ラジオ受信機の不適合品を出荷し続けていた三菱電機。この問題に対して同社が発表した再発防止策について、トヨタ自動車グループ出身の開発設計の専門家は厳しい評価を下す。
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車載半導体で翻弄されたルネサスの決算、ICの製品値上げはやむなし
ルネサス エレクロニクスの2020年第4四半期および通年の決算発表会において、代表取締役社長兼CEOの柴田英利氏は「(20年は)目まぐるしく状況が変わる1年だった」と述べた。車載向け半導体の需要変動に揺れた2020年。終わってみれば、売上高は横ばいだったものの、過去最大の営業利益を達成した。今回の…
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楽天・ヤフーと米3社が対象へ、巨大ITの「取引透明化」を促す日本型規制が始動
市場支配力が強い巨大ITプラットフォーム企業に取引の情報開示と自己点検を義務付ける規制が2021年春から始動する。巨大IT企業に自主改善を促す仕組み作りで、まずは取引の公正さを高めていく狙いだ。企業の自主性を尊重した日本型の規制が有効に機能するかが試される。
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COCOA不具合放置の遠因か、開発ベンダー選定で繰り返された「丸投げ」の実態
新型コロナウイルス感染症対策の切り札と期待されていた接触確認アプリ「COCOA」。そのAndroid版で「接触を検知・通知できない」という根幹機能に関わる不具合が4カ月以上放置されていた問題は、開発体制の見直しや原因調査に波及しようとしている。同問題は2021年2月3日に厚生労働省が公表した。
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「4位に甘んじない」と強気の楽天モバイル、2023年黒字化に疑問符が付くわけ
楽天が2021年2月12日に発表した2020年12月期連結決算で、モバイル事業のセグメント損益は2269億円の赤字だった。楽天の三木谷浩史会長兼社長は「(2023年12月期を見込む)黒字化のタイミングは多少前倒しできるのでは」と強気の見通しを示すが、実現への道筋は必ずしも明確に示せていない。
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半導体不足を跳ね返し「ヤリス」が首位、21年1月の新車販売
日本自動車販売協会連合会(自販連)と全国軽自動車協会連合会(全軽自協)が2021年2月4日に発表した同年1月の車名別新車販売台数によると、登録車と軽自動車を合わせた総合順位で、トヨタ自動車の小型車「ヤリス」が5カ月連続で首位となった。
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サーバーレス環境をサイバー攻撃から守れ、「RASP」の実力と課題とは
FaaSやPaaS、CaaSといった環境で利用できるセキュリティー製品として、RASP(Runtime Application Self Protection)に注目が集まっている。RASP製品は米Fortinet(フォーティネット)や米Palo Alto Networks(パロアルトネットワーク…
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起業家魂あふれるCTO、ソフトバンク次期社長・宮川氏の軌跡
通信大手ソフトバンクのトップが6年ぶりに交代する。2021年4月に社長に就任するのは宮川潤一副社長兼CTO。およそ20年に渡ってソフトバンクを技術面で支えてきたが、同社に入社する前は起業家として社長として、様々な事業を率いた経験を持つ人物だ。