ニュース解説
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新任設計者が懸案解消、CAEでベテランも後押ししたカシオの新電卓開発
基本技術が確立しているように見える定番商品でも、メーカーにとって改良の余地や懸案が残っている場合がある。カシオ計算機が2022年にベトナムや中南米で先行発売した関数電卓の新機種「ClassWiz FX-991CW」では、初めて電卓の設計を任された担当者が長年の課題を解決した。
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衛星間の通信は高速な光が主役に、米国防総省が実用化を強く後押し
光衛星通信とは、これまでの電波(マイクロ波)の代わりにレーザー光を使って人工衛星間や衛星と地上間の通信を行う技術である。最大の特徴は電波よりも高速な通信ができることで、一般的な電波通信の10~100倍に相当する10Gbps(ビット/秒)以上の速度を実現する。
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日本IBMがパートナー施策を転換、サーバー売りよりも「組み込み売り」を優遇へ
日本IBMはパートナー制度を改革する。IBMの製品やサービスをパートナー自身が開発した製品・サービスに組み込んで販売する「Build」と呼ぶパートナーを優遇することが狙いで、これまで開拓が難しかった中堅中小企業の攻略を目指す。
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JUASの調査で見えたDXの長い道のり、推進企業に共通する3つの施策
「まだまだDX推進の道のりは長そう」。日本情報システム・ユーザー協会が実施した「企業IT動向調査2023」でこうしたことが見えてきた。一方、DX推進ができている企業に共通する3つの特徴も浮上。これからDXを推進する企業の参考にできそうだ。
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走りを進化させた新型プリウス、エンジン・電池・モーターを高出力化
フロントピラーを大胆に寝かせた走りを想起させるデザイン――。それに感化された新型「プリウス」の開発陣が目指したのは、進化させた走りである。トヨタ自動車のプリウスといえば、ハイブリッド車(HEV)の先駆け。だが、生まれ変わった新型プリウスは、もはや環境に優しいだけのクルマではない。
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資源大国オーストラリアは再エネ導入目標で世界トップに
豪州が目指す脱炭素フロントランナー(第1回)
今、注目すべきはオーストラリア(豪州)だ。世界有数の石炭産出国であり、これまで環境政策で後れを取っていたが、2022年5月の政権交代で一変。世界最高値の再エネ導入目標を掲げ、続々と再エネやストレージ(蓄電設備)、水素などの事業計画が登場している。
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半導体五輪でIBMの採択論文がたった1件、米国政府の強硬姿勢が影響か
ISSCC 2023プレビュー
半導体のオリンピックと称される国際学会「International Solid-State Circuits Conference」の第70回大会(ISSCC 2023)が2023年2月19~23日(米国時間)に米サンフランシスコで開催される。常連の米IBMの採択論文が1件しかないなど、顔ぶれに大…
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リコー社長に大山氏、「最高のナンバー2」は複合機依存から脱却を果たせるか
リコーの大山晃取締役コーポレート専務執行役員が2023年4月1日付で社長執行役員・CEO(最高経営責任者)に昇格する。一度は社長レースから外れたとも見られたが、山下良則社長からの信頼は揺るがなかった。社内で「最高のナンバー2」と称される大山氏は、複合機依存のビジネスモデルから脱却を果たせるか。
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国立音大がデータサイエンスのコースを新設、活躍の場広げる音大生の適性とは
国立音楽大学(東京都立川市)は2023年4月に「音楽データサイエンス・コース」を新設する。音楽大学がデータサイエンスに特化したコースを新設するのは国内初の試みだという。最近の音楽産業ではデータ解析やサウンドデザインができる人材のニーズが高まっており、これに適応できる人材の輩出を狙う。
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スバルの衝突安全技術、ボディー改良で相手車両の乗員も守る
SUBARU(スバル)の新型SUV(多目的スポーツ車)「クロストレック」は、上位モデルで使用している多くの新技術を採用して、衝突安全性能を強化した。ボディー骨格を改良することで、衝突時の衝撃から自車の乗員を守ることに加えて、衝突した相手車両への加害性も減らした。
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東レがポリマー粘弾性の推定技術、プラスチックリサイクルを簡便に
廃棄されたポリマーを製品原料の一部として再利用する「ポリマーリサイクル」に取り組む東レは、その成型加工にかかる期間を月単位で短くする計算技術を米シカゴ大学と共同開発したと、日経クロステックの取材で2023年2月7日明らかにした。
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ダイキン工業のCVC戦略、特許出願支援で出資先の開発後押し
ダイキン工業がコーポレート・ベンチャー・キャピタル(CVC)活動を世界で強化している。スタートアップへの出資を通じて、イノベーションの創出や新たなビジネスモデルの確立を目指す。海外売上高比率が8割にのぼるグローバル空調メーカーとして、海外での事業展開や有望技術の獲得にもつなげたい考えだ。
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ミツバチを「ブラック職場」から救え、植物工場のイチゴに授粉ロボットが必要なわけ
授粉ロボットなどの開発を手掛けるHarvestXは、ロボットとその運用を支援する制御基盤などを含めたサービス「HarvestX」を2023年夏から開始し、植物工場でのイチゴの自動栽培を目指す。
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売上高1.5倍のルネサス社長、「グローバルでの存在感を数字で示せた」
ルネサス エレクトロニクスは、2022年12月期通期(1~12月)および第4四半期(10~12月)の連結決算説明会を2023年2月9日にオンライン開催した。2022年通期の連結売上収益(売上高)は1兆5027億円(non-GAAP)であり、前年比51.1%増と大きく伸びた。この売上高は過去最高であ…
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プリファード系が新発想の家庭ロボ、住宅にも革新
家庭用ロボット事業の参入を宣言してからおよそ4年。日本最大のユニコーン企業として知られるPreferred Networksの子会社がついに製品を発表した。業務用ロボットで培ったAI技術やロボティクス技術を生かしつつ、家具を動かすという新しい発想で家庭に切り込む。
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工販合併で「いいクルマづくり」の礎を築く、豊田章一郎名誉会長が逝去
トヨタ自動車の豊田章一郎名誉会長が永い眠りについた。創業家出身で、同社の6代目社長を務めた。最大の功績は「工販合併」だ。クルマの開発・製造を担う会社と販売を手掛ける会社を1つにまとめ、現在のトヨタ自動車を誕生させた。章一郎名誉会長の長男が同社の豊田章男現社長(11代目)であることはよく知られている…
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ホンダの新HEV、“目の肥えた欧州市場”で鍛える
ホンダは、2022年7月に発売した「シビック」や2023年4月に発売予定の「ZR-V」のハイブリッド車(HEV)に同社のシリーズ・パラレルハイブリッド機構「e:HEV」の新型を搭載する。各国の環境規制に対応しつつ、走りの楽しさを重視したのが新型e:HEVの特徴だ。両車の開発陣は「特にターゲットとし…
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欧州で「ハイブリッドシフト」鮮明、5年で販売比率29ポイント増
欧州のハイブリッド車人気が鮮明となった。2017年から2022年までの5年間で、新車販売に占めるハイブリッド車の比率は29.2ポイントも増加した。一方で電気自動車(EV)は10.6ポイントの増加にとどまった。欧州は「EVシフト」を推すものの、現実は「ハイブリッドシフト」が進んでいる。
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アマゾンの家庭用ロボット「Astro」、警備や見守りに突破口
米Amazon.com(アマゾン・ドット・コム)初の家庭用ロボット「Astro(アストロ)」の実力はいかなるものか。利用者の声も聞きながら、その正体に迫った。見えてきたのは、警備や見守りの機能を突破口に、家族の一員として浸透させようという同社の意図だ。
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山形大が塗れる高性能バリア層、蒸着コストの1/10でペロブスカイト太陽電池にも
山形大学は、水の遮断性能が高いバリア層を室温かつ塗布プロセスで成膜する技術を開発し、2023年2月1~3日に開催された展示会「nano tech 2023」(東京ビッグサイト)に出展した。