今話題になっているニュースや技術を、専門記者や専門家が詳しく解説します。
ニュース解説
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売り場での「買いたい」を視線で読み解く、マクロミルとNECが分析サービスでタッグ
マクロミルは2021年3月30日、NECの視線推定技術を使い、消費者がどのように買う商品を決めるか分析するサービスを始めた。購買にいたる消費者の心の動きを読み解ければ、メーカーのパッケージや販促物、小売りの品ぞろえや棚割りの作り方を変える可能性を秘めている。
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PA樹脂の供給不足が再燃、新型コロナ禍や米国の寒波が直撃
エンジンルーム内の部品などに使うポリアミド(PA)樹脂の供給不足が再燃している。新型コロナウイルスの世界的な感染拡大や、2021年2月に米国南部を襲った記録的な寒波などが原因である。供給不足は長期化する可能性が大きい。同樹脂製の部品を作る自動車部品メーカーの中からは、代替樹脂の調達を検討するなどの…
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無人自動運転列車が逆走して衝突、原因は摩耗による信号線断線
金沢シーサイドライン衝突事故(前編)
2019年6月、横浜市内を走る無人自動運転の鉄道路線「金沢シーサイドライン」で列車の逆走事故が発生した。信号線の断線によって制御装置に進行方向が正しく伝わらなかったのが直接の原因だった。なぜフェールセーフが機能しなかったのか、どうすれば再発は防げるのかを2回に分けてお届けする。前編では、事故の概要…
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日本郵便が発足以来「最大級のIT投資」、郵便・物流システム刷新を本格始動
日本郵便が2021年4月から郵便・物流事業を対象とした基幹業務システムの刷新プロジェクトに本格着手したことが、日経クロステックの取材で分かった。同月から新システムの主要部分の要件定義に入り、2024年春ごろの稼働を目指す。
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EVやスマホから電池パックが消える 構造材料一体化の仰天技術
電気自動車(EV)や電動飛行機、さらにはスマートフォンから電池パックが“消える”可能性が出てきた。スウェーデンの大学の研究チームが、Liイオン2次電池(LIB)を構造材料と一体化させて、電池としての体積や重量を大幅に低減する技術「構造体電池(Structural Battery)」を共同開発した。
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東芝系の次世代水電解、3割高効率に 多積層で「50MW級」へ
東芝エネルギーシステムズが、水素を多用途で使う「水素社会」を目指して攻勢をかけている。水の電気分解で水素を得る水電解では、既存技術比で3割の高効率化を達成。大型化や低コスト化の技術課題を解決し、2020年代後半の実用化を狙う。水素インフラの世界市場は50年に160兆円規模まで達するとの試算があり、…
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火災のルネサス工場、「奇跡的な支援」で2日早く生産再開
2021年3月19日未明に火災が発生したルネサス エレクトロニクスの那珂工場(茨城県ひたちなか市)のN3棟。同社が目標としていた火災後1カ月より2日早い、21年4月17日に生産を再開した。生産再開当初は火災前の10%弱の生産能力だが、速いペースで生産能力を高める。同年4月末には50%の生産能力まで…
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LINE問題で「責任者不詳」浮き彫り、第三者委がZHDによる一元監督提言へ
Zホールディングス(ZHD)による、子会社や孫会社まで含む一元的な監督体制を整備し、経済安全保障も含めた責任者の設置をすべきだ――。LINEがLINEアプリ利用者の個人情報を海外拠点で扱っていた問題を受け、ZHDが設置した第三者委員会の提言に向けた議論が進んでいる。2021年4月末にも中間報告を公…
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1年遅れで実用化の成田空港「顔パス搭乗」、23億投入の成果は
成田国際空港会社(NAA)は2021年4月13日、国際線の搭乗関連の各種手続きを顔認証でできる「Face Express(フェイスエクスプレス)」の実証実験を成田空港で開始し、その模様を報道陣に公開した。2年間の開発でどのような成果が上がったのだろうか。
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DXだけど「変革よりも効率化」、製造業DX300社調査で見えた本音
日経BP総合研究所『製造業DX調査レポート』より(1)
製造業は最もDXが進んでいる業界なのだろうか。製造業DXの取り組み状況をつかむべく、日経BP総合研究所 クリーンテックラボと日経クロステックが日本科学技術連盟の協力を得て年商100億円以上の製造業321社に対して2020年12月に実施した調査から、製造業DXの実情を探ってみよう。
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COCOA重大バグの4カ月放置に3つの原因、厚労省が報告書で言及
厚生労働省の新型コロナウイルス接触確認アプリ「COCOA(ココア)」で致命的な不具合が4カ月間放置された問題で、厚労省は2021年4月16日、事実関係の整理と再発防止に向けた報告書を公表した。
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ハサミムシの羽に学んだ展開構造、どうやって開く?
東京大学の研究室が樹脂で造ったこの“扇子”。実は展開構造がちょっと変わっている。昆虫のハサミムシの羽に学んだ。プレートとヒンジだけとシンプルな構造なのに小さく折り畳めるだけでなく、開きやすさにも特徴がある。さて、どうやって開くか?
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りそなが「脱・銀行」にまた一歩、ローコード開発で営業店システム刷新の工期半減
りそなホールディングス(HD)が営業店システムの刷新でローコード開発ツールを全面採用し、工期を半分以下に縮める成果を上げた。営業店システムの開発にローコード開発ツールを全面採用する邦銀は珍しい。
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現場発からくりでロボットいらず、2000万円節約したパナ新潟工場
LED照明のベースライトを生産するパナソニック新潟工場(新潟県燕市)では、自動組立機に樹脂部品を供給する「からくり」を製作して活用している。その愛称は「からくりインバータ」。「第25回からくり改善くふう展2020」において、アイデア賞を受賞した作品だ。
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自動車のサイバー攻撃、“デジタルツイン”で守る イスラエル新興
自動車のサイバーセキュリティー対策が2022年から義務化されることを受け、車載ソフトウエアの脆弱性を評価、管理する技術に注目が集まっている。イスラエルの新興企業Cybellum(サイベラム)は、「サイバーデジタルツイン」と呼ぶ独自技術を強みに、日産自動車やフランスRenault(ルノー)・日産・三…
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中国製の席巻に待った 政府主導の安全安心ドローンが21年度離陸
NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)は2021年4月13日、災害対応やインフラ点検といった政府調達などに向けた「安全安心なドローン基盤技術開発」事業の進捗状況について記者説明会を開催した。
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東芝がCO2の資源化開発を加速、光合成を模した「緑の技術」
人工光合成の仕組みの応用でジェット燃料の実用化を目指す──。東芝が、二酸化炭素(CO2)を燃料や化学品などの低炭素な化学原料に変換するCO2資源化技術の開発に力を入れている。邪魔者である温暖化ガスを有用な化学原料に換える大胆な挑戦で、同社はこの技術を「Power to Chemicals」と呼ぶ。
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NTTデータが貿易ブロックチェーン、実用化阻む「三すくみ」解消の新技術とは
NTTデータがFinTechベンチャーのDatachainと組み、貿易管理のブロックチェーンの実用化に動き出した。異種ブロックチェーンの相互運用ミドルウエアを使い、ブロックチェーンで貿易の実務をこなす上で課題となる「トリレンマ」を解決するめどを付けた。地に足の付いたブロックチェーンの用途開拓は進む…
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Webサイトのリスクを「過小評価」、小規模企業の危険な考えがIPA調査で鮮明に
Webサイトの重要度が高まってもセキュリティー対策コストを増やさない――。情報処理推進機構(IPA)が2021年3月30日、8年ぶりに「企業ウェブサイトのための脆弱性対応ガイド」を改訂し、同時に実施したアンケート調査結果も公表した。その結果から、こうした小規模企業の危険な考えが浮き彫りとなった。
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電話の取り次ぎは無駄?千葉市役所が「チャットファースト」にかじを切ったワケ
千葉市役所は2021年3月、職員同士のコミュニケーション手段として電話に代わり、チャットの利用を原則化した。新型コロナ禍のテレワークの導入によって進んだチャットの利用だが、災害時などの行政機能の維持にも有用として「チャットファースト」を進める。