今話題になっているニュースや技術を、専門記者や専門家が詳しく解説します。
ニュース解説
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スパコン「富岳」いよいよ共用開始、世界4冠を無償で使える用途とは
理化学研究所は2021年3月9日より、スーパーコンピューター「富岳」を広く学術・産業向けに提供し共同で利用する「共用」を始める。
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電力市場高騰の怪、「寒波主犯説」の思い込みを斬る
需要増は寒波到来の2017年と同水準、電力が余っていても高騰が続いた不思議
資源エネルギー庁は今冬の市場高騰の原因を「寒波による需要増とLNG不足による供給力不足」と説明してきた。だが、各種データを検証するとこの原因では市場高騰を説明できないことは明白だ。寒波が原因だというのは、連綿と培ってきた電気事業者の業務スキルを低く見ているとしかいいようがない。
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市販車初のレベル3自動運転車、ホンダが100台限定で発売
高速道路において、渋滞時に、カーナビゲーションシステム(ナビ)の画面でテレビ番組や動画コンテンツを視聴したり、ナビを操作したりできる――。そんなレベル3(アイズオフ)の自動運転機能を世界で初めて市販車に搭載したのが、ホンダの新型セダン「LEGEND Hybrid EX・Honda SENSING …
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2021年に15GW超のメガソーラーが新規導入へ
最大460MW案件は蓄電池併設、両面発電と1軸追尾を採用
2021年1月に発表された米国エネルギー省(DOE)・エネルギー情報局(EIA)の調査によると、2021年には、約40GWの発電所が新たに稼働する予定になっている。そのうち、太陽光発電は全体でもっともシェアが大きく39%、それに続く風力は31%と、太陽光と風力で全体のなんと80%に達する。次に続く…
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経産省が渋谷でスタートアップ支援、あえて地域の課題解決に乗り出す理由
経済産業省は2021年3月2日、街の課題解決に資するスタートアップ企業の取り組みを紹介し、新常態の創出を後押しする「NEW NORMAL LAB(ニューノーマルラボ)」を開設した。併せて同ラボの第1弾となる「NEW NORMAL LAB渋谷」の発表会と企業によるデモンストレーションを開催した。
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長引いた高騰の背景に「グロスビディング」の影
かつては監視委員会も懸念していた
2020年12月から2021年1月にかけての市場高騰をきっかけに、現行の市場制度を見直す機運が高まっている。市場に潜む問題は複合的だが、今一度、根本から洗い出していく必要がありそうだ。今回は「グロスビディング」の影響を考える。高騰相場を長引かせた要因の1つだった可能性がある。
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福島第1原発に先んじて廃炉完了、炉心跡も再利用できる更地に
炉心溶融と水素爆発が起きたという意味で、福島第1原子力発電所の廃炉はむしろ特殊な事例だ。そもそも、原発の「通常の廃炉」とはどのようなものなのだろうか。日本で唯一、廃炉が完了した原子炉は今から25年前の1996年に廃止措置が終わり、更地になっている。
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パンデミック乗り越え、2020年も拡大した企業の再エネ調達
最大需要家はアマゾンで5.1GW、主流は太陽光
新型コロナウイルスの感染拡大は昨年、世界的に健康と経済を危機にさらしたが、企業による「脱炭素」への動きは一層、強まった。
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「首都圏」「経験者」にこだわらない、北国銀行の逆張りデジタル人材採用術
北国銀行がデジタル人材の積極採用に乗り出している。希少な人材だけに採用は難しいが、「首都圏にこだわらない」「経験者にこだわらない」という逆張りの採用方針が功を奏している。
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Apple Watchで心電図を記録すべきタイミングは?慶応大学病院が臨床研究で解明へ
Apple Watchの心電図アプリケーションが日本で利用可能になった直後の2021年2月1日、慶応義塾大学病院がApple Watchを利用した臨床研究「Apple Watch Heart Study」を開始した。
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市場高騰問題、エネ庁は「市場取引結果の遡及的見直しに慎重」
新電力に迫る高騰時のインバランス料金精算
卸電力市場の高騰問題に関連して、資源エネルギー庁は市場価格やインバランス料金単価を遡って見直すことに慎重な姿勢を示した。かねて、新電力などは高額なインバランス料金徴収で生じる利得の合理的な還元を求めていた。新電力の経営危機が迫っている。
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トヨタ提携Amazon出資の米Aurora、Uber自動運転の次はLiDAR買収
自動運転技術を手掛ける米国のスタートアップ企業Aurora Innovationは2021年2月26日(現地時間)、LiDAR技術を持つ米国の新興企業OURS Technologyを買収すると明らかにした。OURSは、従来の機構部品がない「ソリッドステート(メカレス)型」のLiDARを手掛ける。
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悩めるテレワーカーの姿が浮き彫りに、継続調査で分かった在宅勤務のリアルな実態
「企業規模によってテレワーク実施率に差が出ている」「テレワーカーの間で人事評価に関する不安が根強い」。新型コロナ対策として企業がテレワークに取り組み始めてからほぼ1年がたつ。2020年春以降、テレワーク関連調査を継続してきた調査会社などの分析からこうした実態が浮き彫りになっている。
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ようやく統合完了のZホールディングスとLINE、遠のいたGAFAの背を追えるか
ZホールディングスとLINEは2021年3月1日に経営統合した。「日本・アジアから世界をリードするAIテックカンパニー」を標榜するが、追いかける「GAFA」の背は2019年11月の統合発表時点からむしろ遠のいた。2023年度の売上収益を2兆円とする目標を掲げるなど、自らに高いハードルを課して成長を…
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みずほ銀行システム障害の全容、データ更新のオーバーフローが発端に
みずほ銀行で2021年2月28日に起きたシステム障害の全容が明らかになってきた。原因は定期預金に関するデータ更新作業に関する想定の甘さにある。テストなどで処理件数を適切に見積もれなかった結果、本番作業を実施した際にオーバーフローを引き起こし、ATMやネットバンキングの一部取引不能につながった。
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日本発の原子スイッチFPGAが事業化、熱や放射線に強く超低電力
NECの研究所が開発を進めてきた新型FPGA「NanoBridge-FPGA」が2020年12月に事業化された。原子スイッチ(商品名はナノブリッジ)を使ったFPGAである。SRAMスイッチを使う、現在主流のFPGAに比べて、低消費電力、放射線耐性が高い、といった特徴を持つ。NanoBridge-F…
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「AI OCR」でくずし字を解読、開発に6年を費やした凸版印刷の狙い
日本語でありながら、限られた人しか読めない「くずし字」。このくずし字を解読するシステムを約6年かけて開発したのが凸版印刷だ。ニッチな分野のサービス開発に長い期間をかけた背景には、ある狙いがあるという。
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EV電費を1割向上 ブリヂストン、驚異の「隠れミゾ」設計に迫る
タイヤ業界で世界首位を争うブリヂストン。競合を突き放す一手として「EVバス専用タイヤ」の開発を進め、試作タイヤで実証実験に参画した。2020年秋、横浜市を走る路線バスに装着。接地面(トレッド)に施した驚異の「隠れ溝(ミゾ)」設計により、転がり抵抗を2割下げ、EV電費の1割向上を実現した。同タイヤは…
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スズキの新中期経営計画、電動化に生き残りをかける
スズキは2021年2月24日、新たな中期経営計画を発表した。21年度(21年4月~22年3月)から25年度(25年4月~26年3月)の5年間を対象にした同計画では、「小・少・軽・短・美」という創業以来のものづくりの根幹を守り、「軽自動車という生活の足を守る」、「インドを含む新興国を今後も成長の柱に…
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VWから受注、EV用電動パワステ 日本精工が23年量産へ
日本精工(NSK)は2021年3月1日、ドイツVolkswagen(フォルクスワーゲン、VW)から電気自動車(EV)向け電動パワーステアリング(EPS)の受注を獲得したと発表した。23年にNSKの中国工場で量産を開始し、VWの世界拠点に供給していく。