今話題になっているニュースや技術を、専門記者や専門家が詳しく解説します。
ニュース解説
目次
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ゲーム開発ツールのUnityが産業分野で攻勢、デジタルツインを提供
ゲームエンジンと呼ばれるゲーム開発ツールを手掛ける米Unity Technologies(ユニティ・テクノロジーズ)が、建設や製造、インフラ、自動車、小売りなどの産業分野に向けたデジタルツインで攻勢をかけている。2023年4月に専用サービス製品を発表し、同年5月に東京で記者会見を実施した。仮想空間…
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パナソニック系、システムバス製造に床材シートの継ぎ目無くす新工法
パナソニックハウジングソリューションズ(PHS、大阪府門真市)が、同社のシステムバスの売りの1つとしているのが、特殊シートで床表面から排水口の接続部分までを継ぎ目なく覆った「3Dプロテクトクリーンフロア」。隙間がないため汚れにくく、掃除しやすいといった特徴を持つ。同社はこのシートを継ぎ目なく床材に…
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「合成燃料」でエンジンを脱炭素に、コスト次第で“奪い合い”も
合成燃料(e-fuel)とは、二酸化炭素(CO2)と水素(H2)を合成して製造する人工的な燃料である。既存の内燃機関や燃料インフラを活用しつつ、カーボンニュートラル(温暖化ガスの排出実質ゼロ、CN)を実現する手段として期待が高まっている。
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「同意なし」で利用できる医療データ拡大へ、目的制限などで保護する政府の新制度
医療データの活用を後押しするため、政府は個人の医療データを本人の同意なく第三者に提供できる範囲を広げる新たな制度を導入する方針だ。新制度には、診療と研究開発に使える医療データベースの量と質を充実させ、活用を後押ししたい狙いがある。
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車載ハーネスを少なく軽く、光ファイバーや無線での代替が再燃
自動車の電気・電子機器などを接続し、電力や信号を伝送するワイヤハーネスを代替する車載通信の開発が再燃している。クルマの高機能化や自動運転化に伴って1台当たりのハーネスが増えることが見込まれる。これに伴い車両質量が増大し、燃費や電力消費率(電費)が悪化したり、コストが増加したりする懸念があるためだ。
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古河電工が超電導線材の生産能力2倍に、核融合炉向け
古河電気工業は、核融合発電のための重要部材である「高温超電導線材」の生産拡大を急ぐ。米国工場の生産設備を2023年内にも拡大し、部材の生産能力を2倍に引き上げる。欧米で核融合スタートアップが実験炉の建設を進めるなか、同部材の需要が大幅に増える見通しだ。
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ルネサスがSiCに続きGaNデバイス製造にも着手か、車載向け
「我々は(⾞載向けの)GaNデバイスにも取り組んでいる。その製造については現時点では言えない。今後の発表を楽しみに待っていてほしい」。ニデックとルネサス エレクトロニクスは2023年6月6日、次世代の電動アクスルに向けた半導体ソリューション開発の協業に関する記者会見を開催した。
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ニデックとルネサスを待つ4つの課題、次世代電動アクスル協業で乗り越え量産へ
「今はまだベストなサプライヤーはいない」。ニデック(旧日本電産)は2023年6月6日、次世代の電動アクスルの開発で協業するルネサスエレクトロニクスと共同会見を開いた。協業の背景を明かしたのは、ニデック常務執行役員で副最高技術責任者(CTO)兼半導体ソリューションセンター所長の大村隆司氏である。
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温度測定に高い壁、ソニー“首掛けエアコン”用センサータグ開発秘話
ソニーグループが2023年4月20日に発売した“首掛けエアコン”の4代目「REON POCKET 4」は、新開発のセンシングデバイス「REON POCKET TAG」(以下、TAG)と連係させることで、行動や環境に合わせた冷却と温熱を自動で切り替える機能を実現した。TAGは周囲の温度と湿度を計測す…
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ルネサスとメガチップスへライセンス、脳型演算IPコアのBrainChip
オーストラリアBrainChip Holdings(ブレインチップ ホールディングス)CEOのSean Hehir氏が来日した。同氏によれば、同社はニューロモロフィック(脳型)演算を行うIP(Intellectual Property)コアを商用化した唯一の企業である。現在、ルネサス エレクトロニ…
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8歳と87歳が基本情報技術者試験に合格、試験時間短縮や採点方式変更が影響か
ITエンジニアの基礎力が試される国家試験「基本情報技術者試験」において、2023年4月に実施した試験で合格者の最年少と最年長の記録が更新された。試験制度が改訂されたことが要因か。新制度の内容を確認しながら、その理由を探っていこう。
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ジヤトコがノーコード開発を推進、内製の課題を解決する2つの施策とは
無段変速機(CVT)や自動変速機(AT)を開発・製造するジヤトコが業務アプリ開発の内製化に取り組んでいる。システム内製化にはさまざまな壁が立ちはだかる。人材の選定・育成や開発した成果物の品質担保といった課題をジヤトコはどのように乗り越えたのか。その全容を見ていこう。
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2026年にもマイナカード刷新、デジタル庁のガバナンスとトラブル対応力に課題
政府のデジタル社会構想会議はデジタル政策計画の改定案を取りまとめた。マイナンバーカード活用推進に向けた取り組みが柱。2026年度にカードを刷新するほか、相次いで明らかになっているカードを巡るトラブルを受け、デジタル庁を中心とした対策の強化などを新たに盛り込んだ。
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ラピダス世界デビューで小池社長が技術戦略披露、要点は5つ
Rapidus代表取締役社長の小池淳義氏がベルギーimecの年次イベントに登壇し、同社の戦略などをアピールした。同社にとって、この講演が実質的な世界デビューになった。記者が個別にインタビューした内容と合わせて、小池氏の発言内容で注目すべき5点を紹介する。
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ソニー“首掛けエアコン”で常識破り、異例のデバイス追加で念願機能
ソニーグループが2023年4月20日に発売した“首掛けエアコン”の4代目「REON POCKET 4」は、ウエアラブルデバイスとして異例ともいえる賭けに出た。本体とは別にセンシングデバイス「REON POCKET TAG」(以下、TAG)を開発し、それを本体と連携させることによって、行動や環境に合…
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パナ系車載事業会社、収益性改善へ統合HPC化や高出力充電器に注力
「主に(車載)充電器や車載コックピットシステムで増益を図る」。パナソニックホールディングス(HD)傘下のパナソニックオートモーティブシステムズ代表取締役社長執行役員CEO(最高経営責任者)の永易正吏氏は2023年6月1日開催の「パナソニックグループ事業会社戦略説明会」でこう語った。
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英国が半導体に10年で1700億円投資、SiCやGaNにフォーカス
英国政府は、自国の半導体産業とサプライチェーン(供給網)を強化する新戦略で、今後10年間で最大10億ポンド(約1700億円)を投資する。英国が強みを持つ研究開発やチップ設計、材料などの分野で投資を支援する。主要7カ国首脳会議(G7広島サミット、2023年5月19~21日)に合わせて発表した。
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パナソニックHDが社内向け対話AIの開発・運用を強化、社外向けサービスも視野
パナソニックホールディングスは2023年6月1日、日本国内の社内向けAIアシスタントサービス「PX-AI」の開発・運用を新体制に移行した。これまでは社内の少人数の人材が担当していたが、社外のパートナー企業と組んで本腰を入れる。
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VR・ARデバイスの23年出荷は前年比2割減、民間予測
台湾の調査会社トレンドフォースは、2023年のVR(仮想現実)・AR(拡張現実)デバイスの出荷台数が前年比18.2%減の約745万台になる予測を発表した。減少分のほとんどはVRデバイスだった。減少の要因は、高性能で価格の高いハイエンドモデルの販売が予測以上に低調なことだ。これにより、今後しばらくの…
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生成AIや自動運転の電力問題は半導体で解決へ、imecイベント7選
世界的な半導体研究開発機関であるベルギーimec(アイメック)は、2023年5月16~17日に同国アントワープで年次イベント「ITF World 2023」を開催した。半導体業界の大手企業の幹部が多数登壇し、生成AI(人工知能)や自動運転の普及で指数関数的に増大するとみられる消費電力を半導体の新技…