中国の上海にほど近い杭州に、オランダのUNスタジオが設計した高層複合施設が完成した。「ラッフルズ・シティ・杭州」だ。UNスタジオにはあまり超高層ビルのプロジェクトのイメージが無いが、彼らの作品らしく、見事に、ほどよく、うねっている。

銭江ニュータウンという、急速に開発が進む中心業務地区に建てられたラッフルズ・シティ・杭州。2017年竣工。同年に香港の構造エンジニア協会より「Structural Excellence Award2017」を授与された(資料:© Capitaland)
銭江ニュータウンという、急速に開発が進む中心業務地区に建てられたラッフルズ・シティ・杭州。2017年竣工。同年に香港の構造エンジニア協会より「Structural Excellence Award2017」を授与された(資料:© Capitaland)
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 開発したのは、シンガポールの政府系デベロッパーのキャピタランドである。キャピタランドは日本を含む31カ国で事業を展開。最大の投資先である中国では、本国シンガポールをはるかにしのぐ、200以上のプロジェクトを手掛けている。「ラッフルズ・シティ」は、キャピタランドの複合開発プロジェクトに付けられるブランド名だ。

 中国ではすでに北京、重慶、成都、などで同様の開発を行っており、この杭州を含むとすでに8つの「ラッフルズ・シティ」がある。ラッフルズ・シティ・杭州も、住宅、オフィス、ホテル、食料品店、レストラン、映画館などを備えた複合施設だ。

低層棟は漏斗のような双曲面で構成されている。柱の最大スパンは14mほどで、6m以上のキャンチレバーとなっている部分もある。地震時の揺れを考慮して低層棟とタワーの間にはエキスパンション・ジョイントが配されている(写真:© Capitaland)
低層棟は漏斗のような双曲面で構成されている。柱の最大スパンは14mほどで、6m以上のキャンチレバーとなっている部分もある。地震時の揺れを考慮して低層棟とタワーの間にはエキスパンション・ジョイントが配されている(写真:© Capitaland)
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