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アルミファーサードの新築2棟

 「JCコンテンポラリー」と「JCキューブ」と名付けられた新築の2棟は、鋳造されたアルミのユニットでファサードが覆われている。このデザインになった理由は、(1)既存の建物や擁壁の石積みの要素やスケールに呼応する、(2)歴史的な石積みの建築の集合体のなかで、新しい建築の独自の表現と素材感を提示する、(3)ユニット化することで、少し離れて見れば均質なファサードの表現を実現しつつ各ユニットは個別の機能を持たせることができる――ということだ。

新築の「JCコンテンポラリー」。ギャラリーやレストランが入る。かつて政府の印刷所で、現在「Fホール」と呼ばれる建築につながっている(写真:© Arup)
新築の「JCコンテンポラリー」。ギャラリーやレストランが入る。かつて政府の印刷所で、現在「Fホール」と呼ばれる建築につながっている(写真:© Arup)
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JCコンテンポラリー。ここから大階段「ランドリーステップ」に降りていく(写真:© Arup)
JCコンテンポラリー。ここから大階段「ランドリーステップ」に降りていく(写真:© Arup)
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 実際、均一に見える個々のユニットも、よく見ると開口率が異なっている。内部のプログラムやその空間の環境要件(通風、日射、視界の確保など)によって変えている。もちろん、アルミが軽量であることやリサイクル性にも優れていること、亜熱帯で湿度の高い香港の気候なども考慮している。

「JCコンテンポラリー」内の階段。2層のギャラリー空間をつないでいる(写真:©Arup)
「JCコンテンポラリー」内の階段。2層のギャラリー空間をつないでいる(写真:©Arup)
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展示空間の様子(写真:©Arup)
展示空間の様子(写真:©Arup)
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 様々な規制もあって、既存建物へのH&deMの介入は限定的であるものの、新築2棟の建築の表層部で試行を重ねて周辺一帯に新しい表情を与えたのは、H&deMらしいアプローチの仕方だ。