PR

電力の冗長性を確保

 FCIは地下4階・地上8階建てで、延べ床面積8万2000㎡。地上の2フロア分と地下の2フロア分は設備機械室である。また、各階の天井の懐は1.5mある。巨大な設備は、エネルギー使用量を最小限に抑えるように設計され、熱源から電力と熱を生産し供給するシステム、いわゆるコジェネが採用されている。欧米ではいまだ主流の、蒸気ボイラーと蒸気タービンで発電を行って、蒸気の一部を熱として活用する。さらに、1700㎡の太陽光発電パネルが屋根面に設置され、使用電力の一部を賄っている。

FCI建物断面。設備機械室の割合の多さや、天井懐の大きさが良くわかる(資料:© Arup)
FCI建物断面。設備機械室の割合の多さや、天井懐の大きさが良くわかる(資料:© Arup)
[画像のクリックで拡大表示]

 特に重視されたのは、電力の冗長性の確保である。施設で停電が起こったら、何年もかけて蓄積した凍結標本など繊細な素材やデータが失われることになりかねない。電力は、セントパンクラス変電所からFCIへダイレクトに4線引き込みしている。FCI内のサブ変電所は5カ所あり、そこでも冗長性を取るために各サブ変電所に2つの変圧器を接続している。 

 バックアップ用の発電機は屋上に3機あり、発電容量は各2.5MVA。発電機の燃料タンクは2基設置し、1週間分の発電に必要なディーゼル燃料を備蓄しているということだ。これらは建物の必須負荷全体をカバーするように設計されている。

給水は、設備用の温水、冷水以外にも、研究室単独の温水、冷水、逆浸透水、専門装置用の軟水、および水生生物用の水と複数ある。ガスは二酸化炭素、窒素および圧縮空気が、中央の供給源から分配されている(写真:©Daniel Imade)
給水は、設備用の温水、冷水以外にも、研究室単独の温水、冷水、逆浸透水、専門装置用の軟水、および水生生物用の水と複数ある。ガスは二酸化炭素、窒素および圧縮空気が、中央の供給源から分配されている(写真:©Daniel Imade)
[画像のクリックで拡大表示]
将来のフレキシビリティーを確保するため、すべてのラボスペースに振動対策を施している。設備機器などは、防振架台、ばね防振吊りなどによって支持体から隔離されている(写真:©Paul Grundy)
将来のフレキシビリティーを確保するため、すべてのラボスペースに振動対策を施している。設備機器などは、防振架台、ばね防振吊りなどによって支持体から隔離されている(写真:©Paul Grundy)
[画像のクリックで拡大表示]