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30mのトラスを18本架ける

 建築は、ガラスのブロックを重ねたような、一見シンプルな建物だ。地下3階・地上6階建てで、一番大きなフロアは約75m角。「四角い」建物なので、構造設計も合理的なシンプルなものだろう、と想像したがそうではなかった。それは前述した複合用途や、難しい敷地条件に起因する。

 多彩な用途に合わせた、大小様々なバリエーションのある空間を1つの建築・構造としてまとめるのは容易ではない。地下には350台分の機械駐車場があり、それも柱グリッドサイズの制約となる。さらに上部構造は、セットバックした部分が随所に設けられ、それらがテラス空間となっている。

水辺に広がる外部空間は、市民の憩いの場となり、イベントスペースとしても活用される(写真:© Soren Svendsen)
水辺に広がる外部空間は、市民の憩いの場となり、イベントスペースとしても活用される(写真:© Soren Svendsen)
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BLOX近景。内部の照明によって、構造体が浮かび上がるよう。水辺際に立っていることがよく分かる(写真:© BLOX-Delfino-Sisto-Legnani-and-Marco-Cappelletti-OMA)
BLOX近景。内部の照明によって、構造体が浮かび上がるよう。水辺際に立っていることがよく分かる(写真:© BLOX-Delfino-Sisto-Legnani-and-Marco-Cappelletti-OMA)
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 まず、一般的なラーメン構造は、BLOXには不向きだと判断した。講堂などの無柱の大空間が積層しているからだ。アラップは、おか立ちの柱や吊り柱など荷重を伝達するための検討を行い、初期には48本のトラスから成る架構を考えた。その後、施工性や効率を改善するための詳細な検討を行い、最終的には、30mスパンのトラスを18本架けることに落ち着いた。

 それらトラスのせいは、1層分のものから2層分のものもあり、2.4m~8.4mと様々だ。この巨大なトラスによって、無柱の大空間を実現し、敷地内を走る道路をまたぐ橋の役目も果たす。

構造検討当初の48本のトラスによる架構(写真:© Arup)
構造検討当初の48本のトラスによる架構(写真:© Arup)
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最終的に18本のトラスになったときの架構モデル。 床スラブはプレキャストコンクリート(PCa)で、厚さ400㎜。オフィスの床仕上げ材はPCaと一体化して成型され、別途床仕上げをする必要を無くした(写真:© Arup)
最終的に18本のトラスになったときの架構モデル。 床スラブはプレキャストコンクリート(PCa)で、厚さ400㎜。オフィスの床仕上げ材はPCaと一体化して成型され、別途床仕上げをする必要を無くした(写真:© Arup)
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