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2007年に底を打ってから、「日本国内のウイスキー消費量」は毎年順調に伸びているという。アルコール類全体の消費量は減少している中、この傾向をけん引しているのは、ハイボールの人気や、日本のウイスキーの品質の高さが世界的にも認められてきたことがあるらしい。
それに刺激されてなのか、ウイスキーの輸入量も増えている。18年、英国からのウイスキー輸入量は前年同期比26%増。今回紹介するのは、その英国のシングルモルト・スコッチの高級品である「ザ・マッカラン」の蒸留所だ。
12年、マッカランの蒸留所増築の設計コンペが行われた。クライアントからの設計要求は、マッカランの需要増に応えるだけでなく、蒸留所への訪問者がウイスキー製造プロセスを楽しめるようにするための最新施設とすること。
アラップは、Rogers Stirk Harbour + Partners(RSHP)と組んで、「マッカラン生産地の自然の美しさを補完するような建築であることを目指しながら、ラグジュアリーな蒸留酒ブランドとして象徴的でインスピレーションを与える空間にする」、という期待に応えた。新しい蒸留所とビジターセンターは18年に一般公開された。