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 中央アジアの国、ウズベキスタン。日本ではあまりなじみの無い国かもしれないが、シルクロードの中継地として繁栄した。世界文化遺産に登録されている古都サマルカンドを擁し、長い歴史を持つ国だ。

 ウズベキスタンの首都・タシケントは、古くから栄える大都市だ。タシケントとは、「石の街」を意味する。現在は人口約240万人が暮らす。中央アジアの主要な都市としての存在感を取り戻すべく、ビジネス地区を再整備する大規模なプロジェクトが行われた。ヒルトンなどが入る高層ホテルと、「タシケント・プレジデンシャル・コングレス・センター」(タシケント大統領会議場)が、プロジェクトの核となる。

タシケント・プレジデンシャル・コングレス・センター(タシケント大統領会議場センター)の外観。エントランスのキャノピーは13mのキャンチレバー(写真:Kadir Ozdemir)
タシケント・プレジデンシャル・コングレス・センター(タシケント大統領会議場センター)の外観。エントランスのキャノピーは13mのキャンチレバー(写真:Kadir Ozdemir)
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 発注者であり、製造メーカーであるAkfa Holdingの任命を受けて、アラップは意匠設計、構造設計、建設設備設計、照明デザイン、ファサード・エンジニアリング、AV、音響の専門サービスを担当した。

 急速な変貌を遂げるタシケントは、歴史ある都市なら常に直面する課題に向き合っている。「古代の中心都市だった場所に、新しいビジネス街を計画する際、アイデンティティーをどのように定義すべきか?周辺地区との連続性をどのようにデザインすべきか?」と。

会議場の遠景。街区全体を整備している。右後ろに建つのが、高層のホテル(写真:Kadir Ozdemir)
会議場の遠景。街区全体を整備している。右後ろに建つのが、高層のホテル(写真:Kadir Ozdemir)
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建物の夕景・外観のライトアップにも注力した(写真:Kadir Ozdemir)
建物の夕景・外観のライトアップにも注力した(写真:Kadir Ozdemir)
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 再開発エリアは80ヘクタールに及ぶ。タシケント市全体の変革を先導する起爆剤としての役割が期待されている。再開発では、会議場と高層ホテルを核として、住宅、商業およびレジャー施設を配置した。

 会議場とホテルの低層部は、アルミのメッシュファサードで包み込んだ。視覚的な一体感と、夏の強い日射を遮蔽する機能性を兼ね備える。ファサードのパターンには、ウズベキスタンの伝統的な柄を採用。夜間にはLED照明によるライトアップで意匠性を高めている。

ファサードのメッシュは、照明の演出と相まって、街の中心地に華やかさを与えている(写真:Kadir Ozdemir)
ファサードのメッシュは、照明の演出と相まって、街の中心地に華やかさを与えている(写真:Kadir Ozdemir)
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 会議場の敷地は約4万m2で、間口約120m×奥行き約170mの建物を建てた。主たる会議用ホールの大きさは、約70m×約70m。大空間を構成するために、断面形状を幅1.5m、せい4m(中央部は5m)のボックスとするプラットトラスで屋根を架けた。