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 企業会計基準委員会は2018年3月30日、新しい売上高計上基準を公表した。本会計基準については、この連載でも公開草案段階で既に取り上げている。今回はその確定版ということになる(関連記事「売上高計上の新基準、製造業への影響を冷静に検証する」)。

 今回公表されたのは、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号)と「収益認識に関する会計基準の適用指針」(企業会計基準適用指針第30号)の2つ。適用指針には30の設例も付されている(企業会計基準第29号、第30号等の公表)。

 確定版には公開草案からの大きな変更はない。だが、適用指針等によってより詳細化された部分もあるので、今回はより網羅的に解説する。なお、「収益認識」とは「売上高計上」のことであるが、以下、本会計基準の表現に合わせて「収益の認識」という表現で統一することにする。

気になる適用範囲と適用時期

 具体的な内容に入る前に、今回の会計基準が「誰にとって」「いつから」必要になるかが気になるところだと思うので、まずそこのところを明らかにしておこう。

 まず対象企業であるが、法定監査義務のある企業が対象となる。具体的には、上場企業(上場予定企業を含む)と会社法上の大会社(だいがいしゃ)だ。会社法上の大会社とは「資本金5億円以上または負債200億円の会社」のこと。ただし、小規模な会社であっても、上場していたり、上場企業のグループ企業だったりする場合は適用対象になる。

 上記以外の企業も本会計基準を採用するのは自由であるが、基本的には「中小企業の会計に関する指針」等に従えばよい。「中小企業の会計に関する指針」についても、本会計基準を踏まえた何らかの改正が行われる可能性は否定できないが、今のところはそのような改正はなされていない。

 次に、対象となる財務諸表であるが、連結財務諸表と個別財務諸表の両方が対象となる。ただし、小規模の上場企業やグループ企業に配慮して、個別財務諸表に関しては一部に代替的な取り扱いを認めている。

 最後に適用時期であるが、2021年4月1日以降に開始する年度から強制適用となる。ただし、2018年4月1日以後に開始する年度の期首から早期適用も認められる。また、2018年12月31日に終了する年度から適用することも認められる。従って、最短では本年末には本会計基準に基づき決算をする企業が出てくることになる。

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