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 シャープの業績が急回復している。同社は2015年3月期から2期連続で2000億円以上の最終赤字を出し、わずか2年前の2016年3月期には債務超過にまでなった(関連記事「債務超過寸前のシャープが繰り出す急場しのぎの財務テクニック」)。その後、台湾・鴻海精密工業から出資を仰ぎ、その子会社となることで業績を急回復させている。

 特に、2018年3月期は前年度から業績を大幅に改善。全セグメントの売上高が伸長し、売上高総額は対前年比18%も増加した(2018年3月期決算短信:PDF)。利益についても、リーマンショック前の2007年以来10年ぶりに全四半期での最終黒字を達成。2011年度以来、6年振りに配当も実施する。

 果たして、この業績回復の原動力は何なのだろうか。

利益増加の要因は費用削減ではない

 図1は2016年3月期から2018年3月期までの2期にわたるシャープの営業利益の増減を分析したものである。債務超過に陥った2016年3月期は、営業利益の段階で1619億円の赤字を出している。本業の儲けを示す営業利益の段階でこれだけの赤字だったのだから、業績不振がいかに深刻だったかが分かる。

図1●シャープ営業利益の増減分析
図1●シャープ営業利益の増減分析
2017年3月期及び2018年3月期決算短信プレゼン資料よりブライトワイズコンサルティング合同会社が作成

 それが、翌2017年3月期には早くも624億円の営業黒字を達成し、2018年3月期にはさらに改善させて901億円の営業黒字としている。営業利益を急速に改善させた要因として目立つのが、2016年3月期から2017年3月期にかけての「構造改革、人員適正化」と、この2期にわたって見られる「コストダウン、モデルミックス改善」だ。

 「構造改革、人員適正化」「コストダウン」と聞くと、鴻海からやって来た戴正呉社長の強力なリーダーシップの下、さぞかし厳しいリストラと費用削減が行われたようなイメージを持つかもしれない。しかし、データを見る限り、2017年3月期から2018年3月期までの利益増加要因は費用削減ではない。

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