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 国際会計基準(IFRS)において、2019年1月に新しいリース会計基準の適用が始まる。IFRSを任意適用している企業は財務諸表が大きく変わり、企業の業績も大きく違って見える可能性がある。

 IFRSの新基準を受けて、日本基準も変更される可能性がある。もし日本基準のリース会計基準に同様の改正がなされたら、多くの企業にかなりの影響が出ることが予想される。

経済的実態に即して2つに分類

 そもそもリースとは何か。そして、会計上、何が問題なのか。そこを理解していないと、IFRSが改正した意図も理解できない。

 よくあるのが「レンタルと何が違うのか」という質問だ。ある意味、それこそが会計上の重要な論点だ。

 例えば建物をリースする場合、登場人物としてユーザー、サプライヤー、そしてリース会社の3者がいる。ユーザーとサプライヤーの間でどの物件にするかを決めたら(図1「①リース物件の選定」)、リース会社がそれを一括払いで購入する(同「②リース物件購入」「③購入代金支払」)。リース会社は、購入した建物の使用収益権(それを自由に使って収益を得る権利)をユーザーに与え(同「④使用収益権の付与」)、ユーザーはその対価として一定期間にわたりリース会社にリース料を支払う(同「⑤リース料」)。これによって、図1のように三者三様のメリットが得られるわけだ。

図1●リースで得られる三者三様のメリット
図1●リースで得られる三者三様のメリット
作成:ブライトワイズコンサルティング合同会社

 リース期間中の所有権はリース会社にあるので、法的にはリース会社とユーザー間の賃貸借取引である。ところが、法形式よりも経済的実態を重視する会計は、必ずしも賃貸借取引とは捉えない場合がある。それは、リース会社の位置付けをどう見るかによって変わってくる。

 もし、「リース会社は大家さん」という見方が経済的実態に合っているならば、会計上も法形式通り賃貸借取引として処理する。この場合、ユーザーは毎回支払うリース料を賃料と同様に費用として処理する。このようにみなせるリース取引を「オペレーティング・リース」という。これが、いわゆるレンタルだ。

 一方、「リース会社は資金を貸してくれた金融機関であり、ユーザーはそのお金を使って自ら購入した」と見た方が実態に即している場合もある。それは、かなりの長期に渡ってその物件を使う場合のように、ユーザーがあたかも我が物のようにその物件を使うような場合である。

 この場合、「資金借り入れ+自ら購入」とみなして処理するので、ユーザーは自ら購入した場合の購入額相当を資産と負債に両建て計上する。そして、毎回支払うリース料は借入金の元利返済額として処理する。また、資産計上に伴って減価償却費も計上する(図2)。

図2●ファイナンス・リースの会計処理
図2●ファイナンス・リースの会計処理
作成:ブライトワイズコンサルティング合同会社

 このようにみなせるリース取引を「ファイナンス・リース」という。「ファイナンス(=資金調達)を絡めたリース」というような意味だ。法形式的にはあくまでも賃貸借取引なのに、「資金借り入れ+自ら購入」として処理することがあり得るのが、リース会計の最大の特徴であり、レンタルとの大きな違いだ。

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