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 2020年のスマートフォンといえば、5G(第5世代移動通信システム)が話題の中心だろう。世界に続いて日本でも通信各社でサービスが開始された。2020年は5G元年とも呼べる。

 一方、5Gはインフラの整備にしばらく時間がかかる上、いずれはどのスマートフォンも5Gに対応するため、メーカーは5G対応以外で独自性を出していく必要があった。今回は、そんな2020年に発売された世界のフラッグシップスマートフォン6機種を、分解結果を基にして比較する。

 注目するポイントは3つある。(1)カメラの進化、(2)ディスプレーの高精細化、(3)メモリーの増量と処理速度の高速化だ。まずは各機種の特徴から見つつ、順番に各項目を比較していく。

今回比較する6機種
今回比較する6機種
販売数という垣根を除くと、10万円前後のフラッグシップ機には日本メーカー製スマートフォンも多く存在する。(出所:フォーマルハウト・テクノ・ソリューションズ)
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差別化要因はカメラやディスプレー、ミリ波対応も

 米Apple(アップル)の「iPhone 12」は、iPhoneシリーズで初めて5Gに対応した。ディスプレーは有機EL(OLED)で、新たに「Ceramic Shield」という手法を採用したことで、擦り傷や摩耗、耐落下性能を向上させた。さらに上位でProを冠した「iPhone 12 Pro」「同Pro Max」は、カメラが3眼に増えたのに加え、3次元認識が可能なdToF(Time of Flight)センサー(LiDAR)を搭載している。

 富士通の「arrows 5G」は、日本メーカーで唯一5Gのミリ波周波数帯に対応した製品だ。主要部品では、6.7インチのOLEDディスプレーを搭載したほか、米Qualcomm(クアルコム)の「Snapdragon 865 5G Mobile platform」を採用した。本体の厚みが約7.7mmで世界最薄なのも特徴だ。

 シャープの「AQUOS R5G」は、計4つのカメラを搭載するのが特徴だ。超高精細8K動画撮影が可能な超広角カメラをはじめとして、光学2倍ズームの望遠カメラ、F値が1.7と明るい標準カメラ、距離画像を取得できるToFセンサーである。被写体を自動で追いかけてズームやフォーカスする機能を備えるなど、機能面も強化した。ディスプレーには6.5インチのPro IGZOを搭載し、10億色の表現や1000cd/m2の高輝度を実現した。

 ソニーの「Xperia 1 II」も、やはり高度なカメラ機能をウリにしている。シーンごとにレンズを自在に切り替え、さまざまな被写体をとらえるトリプルZEISS Lensカメラに、3D iToFセンサーを搭載する。例えば、最高20コマ/秒のAF/AE追従高速連写が可能だったり、より多くの光を取り込める1/1.7型大判センサーで低照度撮影での高感度撮影ができたりする。加えて、アスペクト比21:9で4K HDRに対応したOLEDディスプレーも個性的だ。

 韓国Samsung Electronics(サムスン電子)の「Galaxy Note20 5G」は、6400万画素と高い画素数のカメラを備え、3倍光学ズームの望遠カメラを搭載する。8K撮影した動画から3300万画素の写真を切り出し可能だという。ディスプレーは、120Hz可変リフレッシュレートで6.9インチのAMOLEDディスプレー「Infinity-O Display」を搭載。付属のスタイラスペンや画面一体型指紋センサーも特徴的だ。

 中国・華為技術(ファーウェイ、Huawei)の「P40 Pro 5G」は、特徴的なカバーガラス「Quad-Curve Overflow Display」を初めて採用した製品だ。ディスプレーの長辺側面に加えて、上下部分も曲がったカバーガラスがディスプレーを覆う。カメラ機能用に、ハイエンドなコンパクトデジタルカメラが搭載するセンサーに近い1/1.28型のイメージセンサーを搭載している。

6機種の仕様の比較
6機種の仕様の比較
すべて5G対応機であるが、Apple製品のバッテリー容量が目立って少ない。(出所:フォーマルハウト・テクノ・ソリューションズ)
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