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 「測距装置」の一種であるLiDAR(Light Detection And Ranging)は、高度な自動運転車両や自律移動ロボットなどに当たり前のように搭載されるようになってきた。

 今回、LiDAR最大手である米Velodyne Lidar製のLiDAR「Puck VLP-16」(以下、Puck)を分解した。分解物は、米Boston Dynamics製4脚ロボット「Spot」のオプション品として入手したものである。ただし、この製品は、Spotのオプションとしてではなく、一般にも販売されている。

「Puck VLP-16」の製品外観
「Puck VLP-16」の製品外観
(図:フォーマルハウト・テクノ・ソリューションズ)
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今回分解した製品は、4脚ロボット「Spot」のオプション品として提供されていたものである
今回分解した製品は、4脚ロボット「Spot」のオプション品として提供されていたものである
(図:フォーマルハウト・テクノ・ソリューションズ)
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「Puck VLP-16」を載せて歩行する4脚ロボット「Spot」の様子
「Puck VLP-16」を載せて歩行する4脚ロボット「Spot」の様子
(写真:日経クロステック)
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 LiDARはレーザー光を用いて、光が対象に当たり跳ね返って戻ってくるまでの時間を使って測距する。自律移動する電子機器に搭載されているLiDARの役割は、3次元マップの作成である。Puckはセンターフレーム部分が360度回転するため、1台で全周の3次元マップを作成可能で、進路上の地形の凹凸や物体などの形状を認識できる。

「Puck VLP-16」のスペック
「Puck VLP-16」のスペック
(図:フォーマルハウト・テクノ・ソリューションズ)
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ドーナツ型の大型基板や“出目金”レンズを内蔵

分解したところ
分解したところ
写真上はSpotに取り付けるためのブラケットで、左がトップガード、右がスタンド。写真下がLiDAR本体で、左からトップカバー、上部の信号処理用基板、レンズ付きのセンターフレームとレーザー受発光基板(左)・レーザー駆動基板(右)、底部の電源/インターフェース基板、中央に回転軸を備えるボトムカバー。(写真:スタジオキャスパー)
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 分解すると、トップカバーである外部の筒の内側に回転するセンターフレームがあり、センターフレーム自体がモーターの回転子となっていた。センターフレームには2個のレンズを一体とした出目金のようなレンズを備える。

 レンズの後ろには「ハ」の字形にミラーが固定されており、その奥には16枚の基板を1つのコネクター接続用基板に取り付けた2種類の基板群がある。それぞれレーザー受発光基板と、そのレーザーを駆動するためのレーザー駆動基板である。レーザー受発光基板側のセンターフレームの内側にのみ、レーザー光の光路にフィルターのような構造物を備えている。

レーザー受発光基板(写真左)とレーザー駆動基板(写真右)
レーザー受発光基板(写真左)とレーザー駆動基板(写真右)
センターフレームには2つの基板群が取り付けられ、写真左側の基板群にのみ、レーザー受発光部が実装されていた。(写真:スタジオキャスパー)
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レンズやミラーなどの光学系の構造
レンズやミラーなどの光学系の構造
(図:フォーマルハウト・テクノ・ソリューションズ)
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 レーザー受発光基板は、16枚の基板のそれぞれにレーザーの発光素子と受光素子を1つずつ搭載し、全部で16チャンネルを備える。もう一方のレーザー駆動基板にはレーザーの発光素子や受光素子は搭載せず、それぞれ中央に、米Microchip TechnologyのMOSFETドライバーICを1つずつ搭載している。

レーザー受発光基板の全体(左)と基板のA面B面(中央)、発光素子の拡大写真(右)
レーザー受発光基板の全体(左)と基板のA面B面(中央)、発光素子の拡大写真(右)
全体写真では左端にレーザー発光素子があり、そのすぐ右に受光素子がある。(撮影:全体写真はスタジオキャスパー、それ以外はフォーマルハウト・テクノ・ソリューションズ)
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レーザー駆動基板の全体(左)と基板のA面B面(右)
レーザー駆動基板の全体(左)と基板のA面B面(右)
(撮影:全体写真はスタジオキャスパー、それ以外はフォーマルハウト・テクノ・ソリューションズ)
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