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 ついに老舗のサングラスメーカーもエレクトロニクスの世界に参入した。フランスのEssilorLuxottica(エシロール・ルクソティカ)である。今回は同社の有名ブランド「Ray-Ban(レイバン)」が米Meta Platforms(メタ・プラットフォームズ、旧Facebook)と共同開発し、2021年9月に発売したスマートグラス「Ray-Ban Stories RW4002」を取り上げる。

「Ray-Ban Stories RW4002」の製品外観
「Ray-Ban Stories RW4002」の製品外観
(図:フォーマルハウト・テクノ・ソリューションズ)
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 注目すべきは、このサングラスをソーシャルメディア大手のMetaが発表したことだ。メガネ搭載カメラで撮影した映像はユーザー目線そのものであり、これをスマートフォンに転送すれば、同社のサービスの根幹である画像や動画を手軽に撮影しアップロードできるようになる。

「Ray-Ban Stories RW4002」のスペック
「Ray-Ban Stories RW4002」のスペック
(図:フォーマルハウト・テクノ・ソリューションズ)
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右ツルはメイン基板、左ツルには電池

分解したところ
分解したところ
写真左が上から、左ツルの外側カバー、スピーカーと小型基板、Liイオンポリマー2次電池、電源スイッチのあるヒンジ(丁番)部分、左ツルの内側カバー。写真中央が上から、メガネレンズ、2つのカメラのイメージセンサー。写真右が上から、右ツルの外側カバー、メイン基板とスピーカー、ヒンジ部分、右ツルの内側カバー。メガネレンズは内側(接眼側)から見た向きで置かれている。(撮影:スタジオキャスパー)
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 本製品はスマートグラスというよりも「アクションカメラ」に近い。スマートグラスは、メガネレンズ面に何らかのディスプレーを搭載して映像を表示できる製品を指すが、Ray-ban Storiesにディスプレーはない。搭載しているのは5Mピクセルのカメラが2個と、無線LANやBluetoothといった通信機能、そしてマイクやスピーカーなどである。

 搭載部品が少ないため外観はほぼ普通のサングラスだ。主要部品は、そのサングラスの細いツルに集約されている。片側のツルにはメイン基板を搭載し、もう一方のツルにリチウム(Li)イオンポリマー2次電池を搭載する形である。

 右ツルに搭載されたのがメイン基板である。メガネのツルの内側にあたるメイン基板のA面には、マイコンが2個搭載されていた。1つはオランダNXP Semiconductors(NXPセミコンダクターズ)製、もう1つは米Qualcomm(クアルコム)製である。

 中央左のICが、NXP Semiconductorsのi.MX RT600 Crossoverマイコン「MIMXRT685SFVKB」で、中央右のICがQualcommの「PMW3101」である。Qualcomm製のICは、型番が「PM」で始まっているため、電源管理(Power Management)を担当していると推定する。

メイン基板のA面
メイン基板のA面
(図:フォーマルハウト・テクノ・ソリューションズ)
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 メガネのツルの外側にあたるメイン基板のB面は、左端に米Kingston Technology(キングストン・テクノロジー)製のフラッシュメモリー「2400770-002.A00G」を搭載する。

 中央左下には村田製作所の無線LAN/Bluetooth用通信IC「Type1LV SS1414013」がある。このほか、中央右上には、米Texas Instruments(テキサス・インスツルメンツ、TI)の静電容量式タッチセンシングIC「MSP430FR2632」があった。

メイン基板のB面
メイン基板のB面
(図:フォーマルハウト・テクノ・ソリューションズ)
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 2次電池を搭載する左ツルの根元には小型基板が1枚取り付けられていた。内側にあたるA面には、3本の金色のピンと、コネクターを搭載。外側にあたるB面には、米Cirrus Logic(シーラスロジック)のオーディオアンプIC「CS35L41B」を搭載する。

左ツルの根元の小型基板
左ツルの根元の小型基板
(図:フォーマルハウト・テクノ・ソリューションズ)
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 メガネレンズのフレームでツルとの接続部分には、伊仏合弁STMicroelectronics(STマイクロエレクトロニクス)製の加速度センサー&ジャイロスコープ「LSM6DSR」を搭載していた。

眼鏡のフレーム部分には加速度センサー
眼鏡のフレーム部分には加速度センサー
(図:フォーマルハウト・テクノ・ソリューションズ)
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