これまで取材道具としてメモ帳や名刺を止めるホチキス、筆記用具などを複数持ち歩いていたが、2020年からはそれらを「iPad mini(第5世代)」にまとめることで、荷物を減らすことができ便利になった。こうした小さいタブレット端末は、より高機能な大画面の折り畳みスマートフォンに存在が脅かされつつある。
今回はそんな小型タブレット端末の最新製品として、米Apple(アップル)が21年9月に発売した「iPad mini(第6世代)」(以下、iPad mini 6)を分解した。
L字+フレキで“コの字”形のメイン基板
iPad mini 6はアプリケーションプロセッサーとして、iPad Proに搭載された「M1」は採用しなかったものの、最新の「iPhone 13 Pro」などに搭載しているアプリケーションプロセッサー「A15 Bionic」を採用している。新たに5G(第5世代移動通信システム)にも対応した。
メイン基板は“コの字形”になっている。ただし、基板上部(図の右端)の突き出している部分(コの字の上辺に当たる部分)の材質はフレキシブル基板になっていて、“L字形”のリジット基板に貼り付けられているような形である。
メイン基板はA面にほぼすべての部品を搭載しており、B面には部品は実装されていない。A面下部(図の左側)にはアプリケーションプロセッサー「A15 Bionic」があり、その隣にはキオクシア製のフラッシュメモリーが配置されていた。
A面上部(図の右側)には無線通信関係の部品が集まっており、中央の黒い大きなICが米Qualcomm(クアルコム)製の5G Sub-6/LTE/WCDMA/GSMトランシーバーIC「SDR868」で、その左下には同社製の5Gベースバンドプロセッサー「SDX60M」を搭載する。
SDR868のさらに右側には、米Qorvo(クォルボ)製の5G Sub 6/LTE用パワーアンプIC「QM76285」や米Skyworks Solutions(スカイワークス・ソリューションズ)製の5G Sub 6/LTE用パワーアンプIC「SKY5-8270」が並んでいる。