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 「フレキ」と呼ばれるフレキシブル基板の技術進化が止まらない。その歴史は古く、既に成熟した技術分野と思われがちだが、新技術、新製品の開発や提案が今なお活発だ。特に最近の動向から、4つのトレンドを見ることができる。

4つの注目トレンドとキーテクノロジー
4つの注目トレンドとキーテクノロジー
(出所:DKNリサーチ)

 第1のトレンドは「ウエアラブル対応」である。伸び縮みするフレキシブル基板の開発事例が相次いでいる。回路構成はメーカーによって様々だが、基板に伸縮性を持たせる最もオーソドックスな手法は、細長いフレキシブル基板をスパイラル状に成形する方法だ。導体は銅箔である。この手法であれば、安定した導体抵抗が得られる。課題は、回路が大きくなってしまうことだ。

 この課題に対応するアプローチが、ウレタンゴムのような伸縮性のベース材料を使う方法である。導体については、銅箔をエッチング加工する方法と、伸縮性の大きい導電性インクをスクリーン印刷する方法が提案されている。いずれの場合も、導体抵抗を安定させるために、回路は蛇行させる。課題は表面保護(カバーレイ)だが、各メーカーとも手の内は明かさない。汎用性のあるカバーレイ材料は未開発かもしれない。

 第2のトレンドは「透明」である。透明で耐熱性のある透明フレキシブル基板だ。透明なポリイミドフィルムをベースにしたフレキシブル基板を複数のメーカーが開発している。これらの開発メーカーは、銅張積層板を購入し、銅箔をエッチング加工している。複数の銅張積層板メーカーが供給体制を整えているとみられる。

 ここでも、カバーレイ材料が課題になっている。今のところ透明ポリイミドフィルムに接着剤を塗布したカバーレイフィルムが使われているようだが、この構成では透明ポリイミドフィルムの特徴である透明性、耐熱性を犠牲にしていることになる。フレキシブル基板メーカー(回路メーカー)は、スクリーン印刷が可能な透明ポリイミド樹脂の実用化を待っている。材料メーカーは透明なポリイミドインクの開発を進めているようだが、実用化までにはもうしばらく時間がかかりそうである。

 第3のトレンドは「5G対応」である。2019年は、高周波領域でロスが少ない、低い誘電率と誘電損失の絶縁材料を使ったフレキシブル基板の開発が目白押しだった。具体的には、液晶ポリマー(LCP)フィルムをベース材料としたフレキシブル基板である。液晶ポリマーフィルムがフレキシブル基板用材料として商品化されたのは1990年代のことである。しかし、これまで需要がなく、素材メーカーにとっては20年以上も雌伏の時が続いた。

 ところが、5G対応で状況は一変した。市場の動きは速く、現在は生産が需要に追いつかない状況が続いているという。需給バランスを取るのは、なかなか簡単ではない。

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