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 巻き取れる大型画面のテレビ、折り曲げられるスマートフォンなど、有機ELディスプレーのフレキシブル性に対する期待は大きい。しかし、有機ELの動向は日本にいると見えにくい。そこで、韓国や中国など海外の有機EL産業に精通する服部寿氏(分析工房 シニアパートナー)を講師に招き、「有機ELディスプレー産業、次の一手」と題したセミナーを、技術者塾として2018年4月17日に開催する(詳細はこちら)。服部氏に、有機ELディスプレーの動向や、エンジニアに求められることなどについて聞いた。

有機ELの市場・技術は、今後どうなるのでしょうか。

 有機ELはスマートフォンやテレビだけでなく、VR/AR、自動車、航空、医療、商業、照明など、あらゆる産業分野に採用、応用される可能性を持っています。有機EL産業は発展を続ける可能性が高いといえるでしょう。さまざまな産業分野で、有機ELへの関心はますます高まっています。

 特にプラスチック基板を用いたフレキシブル有機ELディスプレーは、今後急速に普及するでしょう。その市場は長い間、韓国サムスン電子(Samsung Electronics)の「Galaxy」向け中心の限定的なものでしたが、米アップル(Apple)が2017年9月に発表した「iPhone X」に採用したことで、状況は一変しました。

 スマートフォン向けには画面アスペクト比18対9の狭額縁設計の採用率が、2018年には50%までに上昇すると予想されます。面積が広がる分、パネル需要を押し上げます。アスペクト比18対9のスマホ用パネルは、従来のアスペクト比16対9のパネルよりも、面積が20%広くなります。

韓国での注目の動き、世界市場の見通しは。

 Apple向けのフレキシブル有機ELディスプレーの価格は1枚当たり95米ドル程度と言われており、高価格です。パネルを供給する韓国サムスンディスプレー(Samsung Display)は大きな利益をあげています。Apple以外のビジネスでも新たな動きが出てきました。価格の安いガラス基板のリジッドタイプの有機ELディスプレーが、狭額縁設計のスマホ向けとして採用されつつあります。

 有機EL専門の韓国の調査会社であるUBI Researchは、世界における有機ELディスプレー(アクティブマトリクス型)の生産可能面積は、2017年の300万m2から2020年には4000万m2になると予測しています。2018年から2020年までの年平均成長率は48%と見ています。大面積の有機ELディスプレーについては、2017年の400万m2から2020年に840万m2と約2倍に増加。中小型の有機ELディスプレーについては、同期間で910万2から3200万2へ約3.5倍に増加すると予測しています。

 こうした背景から、日本のエレクトロニクス産業は有機ELテレビや有機EL照明に多くの関心を見せています。

前回(2017年12月)のセミナーにはなかった新たに加わる内容や、今回特に力を入れて説明するポイントは。

 今回は新たに、折りたたみ型スマホ向けなどフレキシブル有機ELディスプレーの材料、プロセス、部材や課題について詳しく解説します。フレキシブル有機ELディスプレーの最新動向や、韓国や中国の投資動向について、特に力点を置いて説明します。

 本セミナーを受講することで、有機ELについて、世界の動向や将来の市場と課題を把握できます。パネルメーカー、装置メーカー、材料メーカー、部材メーカーの事業企画や開発企画に携わる方、研究者の皆様にとって有用な情報を提供いたします。