今回のコラムは、パワーデバイス・イネーブリング協会(PDEA)が主催する「半導体技術者検定エレクトロニクス2級(パワーエレクトロニクス)」の予想問題を紹介する(本コラムの詳細はこちら、PDEAについてはこちら、半導体技術者検定の教科書についてはこちら、検定の問題集についてはこちら)。
本稿では、半導体技術者検定エレクトロニクス2級(パワーエレクトロニクス)の予想問題の中から、DC-DCコンバータについて問う問題を紹介する。DC-DCコンバータはDC(直流)の入力電圧を入力とは異なる大きさのDCの出力電圧に変換するもので、スイッチング電源の基本となるものだ。検定に合格するには、ぜひ正解しておきたい。
今回の問題の難易度は、★★である(本コラムでは紹介する問題の難易度を★の数(難易度に応じて1~5個)で表しており、★の数が多いほど難しい)。やや易しいレベルの問題である。
エレクトロニクス2級(パワーエレクトロニクス)
【問題11】難易度:★★
図1に示すDC-DCコンバータを定常動作させた場合の入力電圧\(V_{IN}\)と出力電圧\(V_{OUT}\)との関係に関して、以下の中で正しいものを選びなさい。
(1)\( V_{OUT}=(1-D) V_{IN}\)
(2)\( V_{OUT}=DV_{IN}\)
(3)\( V_{OUT}=\frac{D}{1-D} V_{IN}\)
(4)\( V_{OUT}=\frac{1}{1-D} V_{IN}\)
ただし、Dは時比率であり、以下で表される。
\( D=\frac{T_{ON}}{T_{ON}+T_{OFF} }=\frac{T_{ON}}{T_S} \)
TSはMOSFETゲートへの入力(制御)信号の周期、TONはMOSFETをON(オン)させている期間、TOFFはMOSFETをOFF(オフ)させている期間である。
また、MOSFETとDiode(ダイオード)は理想特性を有する(スイッチング期間およびON期間の損失はなく、OFF期間の導通電流はゼロ)ものとする。