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今回はパワーデバイス・イネーブリング協会(PDEA)が主催する「半導体技術者検定エレクトロニクス2級」の「応用と品質」分野の問題を紹介する(本コラムの詳細はこちら、PDEAについてはこちら、半導体技術者検定の教科書についてはこちら、検定の問題集についてはこちら)。
本稿で紹介するのは半導体デバイスのデータシート(スペックシート)に関する問題である。半導体デバイス部品などを購入した場合は、データシートが付いてくる。多くの数値が並んでいることが多く、慣れるまでは大変かもしれないが、まずは電源や入出力の電圧値・電流値といった使用条件を押さえる必要がある。エレクトロニクス2級の応用と品質の分野では、データシートの基本的な理解が求められている。
今回の問題はデータシートに関する基本的な理解を問うものである。難易度は★★(本コラムでは紹介する問題の難易度を★の数(難易度に応じて1~5個)で表しており、★の数が多いほど難しい)である。
【エレクトロニクス2級 応用と品質】
【問題12】難易度:★★
問題:
表1は例として、CMOS汎用ロジックIC(74HCシリーズ)のデータシートから、「絶対最大定格」に関する項目を切り出したものである。以下の絶対最大定格についての記述の中で、正しいものを選びなさい。
表1 絶対最大定格
項目 | 記号 | 定格値 | 単位 |
---|---|---|---|
電源電圧 | Vcc | -0.5 ~ +7 | V |
入出力電圧 | Vin, Vout | -0.5 ~ Vcc + 0.5 | V |
入出力ダイオード電流 | IIK, IOK | ±20 | mA |
出力電流 | Io | ±25 | mA |
Vcc, GND電流 | Icc, IGND | ±50 | mA |
許容損失 | PT | 500 | mW |
保存温度 | Tstg | -65 ~ +150 | ℃ |
- (1) 絶対最大定格では動作特性を十分発揮できるので、できるだけ絶対最大定格に近い値で使用するのがよい。
- (2) 複数の項目が同時に絶対最大定格に達してもよいが、どの一つも瞬時たりとも絶対最大定格を超えてはならない。
- (3) 絶対最大定格は、瞬時たりとも超過してはならない限界値であり、どの2つの項目も同時に達してはならない値である。
- (4) 絶対最大定格は正常動作(データシートに書かれた性能)を保証する範囲である。