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 低炭素社会実現に向けて、“石油を燃やすエネルギー”から”電気エネルギー”への転換が進んでいる。これに伴って、電力化率は今後増加するとみられている1)。その流れで、エネルギー自給率の増加や地球温暖化ガスの削減に向けて、再生可能エネルギーの導入が進んでいる。2030年度の目標は、再生可能エネルギーの導入量を現状の約1.5倍となる22~24%程度に高めることである2)

 目標達成の鍵を握るのがパワーエレクトロニクス技術だ。その代表的な装置である電源の研究開発トレンドが高効率化と小型化である。このうち高効率化は、電源に使用するパワー半導体デバイスのほか、インダクターやコンデンサーといった受動(パッシブ)部品の高性能化と回路の工夫により達成されてきた。現在のパワー半導体デバイスの主流は、Si(シリコン)を用いたパワーデバイスである。ここにきて、SiC(炭化ケイ素)やGaN(窒化ガリウム)などのワイドバンドギャップ半導体パワーデバイスが実用化の段階を迎えている。性能指数が優れ、高効率化が期待できる。一方、電源の小型化(電力密度の高密度化)は15年で1桁程度の進展がみられる3)。スイッチング周波数の高周波化が効いている。ただし、スイッチング周波数を高周波化すると、パワー半導体デバイスが有する寄生容量に起因した損失が増加する。このため、オン抵抗Ronやゲートの総電荷量Qgの小さい横型GaNパワーデバイスへの期待が大きい。

 本コラムでは、今回と次回の2回に分けて、GaNパワーデバイスを用いた電源の小型化技術と、小型化に伴い発熱密度が増加するためさらなる損失低減が重要となる高効率化技術について紹介する。

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