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 新型コロナウイルス感染症の猛威は、一向に衰える気配がありません。人命か経済か、国も地域も会社も人も、たたただ、困惑するばかりです。大変なことになってしまいましたが、コロナに負けるわけにはいきません。私たちは、今こそ新しいパラダイム(社会規範)をつくらなければ、本当に総崩れになってしまいます。

 そして、誰かが言ったのです。「これからの新しい常態を決めよう」と。それが、「ニューノーマル」なのです。悔しいけれど、新型コロナウイルスを前向きに受け入れて、どのようなことがあってもへこたれない、新しい法則をつくろうではありませんか。

一括大量処理から個別分散開放の時代

 新型コロナで分かったことを整理してみます。それは、一言で言えば「一括大量処理」から「個別分散処理」の時代になるということです。

 これまで、いかに効率を上げてコストダウンを行い、その結果、利益の増大を図るというのが、我が国はもとより世界中のビジネスモデルとも言うべきパラダイムでした。とにかく、大量生産、大量処理、それもひとまとめにして強行するというやり方が、何よりも優先された時代でした。

 それは、何でもかんでも一括大量処理をすることがもうけにつながるわけですから、客船だって映画館だって野球場もサッカー場も、大勢の人をいかに集めるかという設計でした。まるで恐竜がその競争力を強くするために大型化していった流れをたどるかのようです。

出所:PIXTA
出所:PIXTA

 言い換えれば、まさに「3密」であり、密集、密閉、密接にならざるを得ないという状態でした。新型コロナウイルスにとって、まさに、この3密はうってつけの環境ですから、あっという間に世界中へ感染が拡大したのです。

 しかし、それが駄目だという現実を突き付けられ、社会は大きく変わりました。ソーシャルディスタンス(社会的距離)が必須となり、通勤電車も、職場も、飲食店も、野球も、相撲も、何でもかんでも3密にならないように大号令がかかりました。

 これは何ともすごいことです。8万人の社員を抱える大企業が「在宅勤務」を命じ、オフィスも今までの3分の一にするという、不動産業者が気絶するようなことを表明したのですから。それなのに誰も異を唱えることもなく、それがニューノーマルであると納得したのです。一体、誰がこのようなことを想定できたでしょうか。数カ月前、不動産価格はうなぎ登り。東京はもちろんのこと、どの地域も不動産価格は上昇し、そこに投資が集中し始めていました。

 バブルやリーマン・ショックを経験した筆者としては、「いつかまた破綻するのでは?」と思ってはいましたが、新型コロナウイルスでここまで変わるとは、想定外を通り越して摩訶不思議(まかふしぎ)という表現がぴったりでした。3密を回避する手段が、当たり前のことになったのです。3密を回避するには、それを逆にして、密集、密閉、密接ではない「個別分散開放状態」をつくればよいということが分かったのです。